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乙女日記 Vol.1799 魅了され中


随分前に【福井晴敏】著作のハシゴ読みをしていると書いてました
が、【亡国のイージス】だけは読まずに放置したままだったんです


自衛隊三部作と言うべきかどうかは判りませんが、氏の初期作であ
る【川の深さは】【Twelve Y.O】を読み、その二つと物語的には繋
がってはいませんが、設定など共通項で繋がる最終作に等しい【亡
国のイージス】までを読むのが本来の目的でしたけど、【川の深さ
は】【Twelve Y.O】の2冊で満腹気味になっちゃったんです。

そのまま読み進めても氏の作品の面白さに関する部分に鈍感になっ
てしまいそうで、大作である【亡国のイージス】を無駄にしてしま
いそうだったから読むのを中断していたんです。

まぁ、冒頭の節に貼ったリンク先のテキストを読んでもらえばわか
ることですが【亡国のイージス】を読むのが本来の目的で、そこに
至る上で更に物体設定などを深く理解したいが為に【川の深さは】
【Twelve Y.O】の二作を読んだわけですけど、氏の作品の面白さを
舐めてました。

予想を遥かに超える面白さで、【亡国のイージス】に突入するまで
に満腹感を感じさせられるとは誤算でした。無論、嬉しい誤算では
ありますけどね。

で、現在ですが、【亡国のイージス】上巻を読み終えたところです
(亡国のイージスは上巻、下巻の2部構成)

先に誘導した先のテキストでも書いてますが、映画版の【亡国のイ
ージス】を見て感じた"これは原作を読まねば"っという予感は的中
でした。

原作を読まずに映画を見たにも関わらず、これは原作を随分簡略化
して、映画という興行作品向けにデフォルメに近い改訂を行ってつ
くられたのではないかっという予感。その予感が的中したわけです


【亡国のイージス】の原作は正に圧巻の勢いすら感じるほど壮大に
娯楽大作として仕上がってます。

氏を論評する上で切り離せない印象に"アニメチックな描写"という
のがありますが、正にその真骨頂が爆発しまくりです。

セリフの言い回しも、明らかにアニメ世代な場面が多数存在します
し、何より物語の展開の仕方がアニメですw

悪く言えばハリウッド映画風と言えるかもしれませんが、巧みに練
られた人物背景と事象のリンク。そして小説家の絶対厳守な約束事
"嘘をつかない"というのを利用するかのような展開の仕方。とにか
く読み始めるとグイグイ引っ張れ、一気に福井ワールドの虜にさせ
られます。

映画で大筋の展開を知っているのに、先が気になるんです。この後
どうなるんだってね。

何故、そう思うかですけど、やはり映画版は安易な大規模テロ活劇
として仕上げちゃってますけど、原作はそうじゃない。

確かにテロが物語の核ではあるんですけど、人物の立て方が素晴ら
しいので、テロ活劇というよりか、軍事ヒューマンドラマって感じ
になってます。

登場する人物達も映画版と比べると随分魅力的になってますし、映
画版では窺い知る事が出来なかった数々の伏線が巧妙に仕掛けられ
ているので、面白さという点においては、映画版とは比べようがな
いほど素晴らしい出来栄えの原作です。

特に、何度も書いてるように氏の作品にはアニメ世代を感じさせる
場面が多数登場してくるので、娯楽小説として非常に読み易く、判
りやすいんです。

場面、場面の言い回しも"らしいな"ってニヤリとしてしまうような
やり取りも多く、変に文芸風を吹かせて言葉遊びをするのが作家と
いうような勘違いもなく、率直且つ丁寧に娯楽として仕上げてる所
なんて、さすがだなぁって感心してしまいます。

まだ下巻が残ってますし、これからどうなるんだっと映画版を見て
るにも関わらずワクワクしまくりなcocさんです。

ちなみに、映画版の仙石より、やっぱ原作の仙石の方がキャラ立っ
てますね。

情けない男が奮起していく様、大好きですw

でも、宮津は映画版とイメージが一致します。読んでいても寺尾聡
さんの顔が浮かんできますし。

そういう意味で映画版はキャスティングで一部成功してるのかな?
なんて思いつつ、原作を読み終えてからもう一度映画版を見てみよ
うと思ってる次第です(酷評する為にw)

そんなわけで、まるで自衛隊に舞台を移したかのようなガンダムチ
ックな亡国のイージスにどっぷりとやっつけられちゃってるcocさ
んなのでした。

それでは今回はこれにて。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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