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乙女日記 Vol.1865 振り返ってみました

最近は、音楽プレイヤーといえば、HDDタイプかフラッシュメモリ
タイプ。またはSDカードといった記録媒体に音楽をデータ化して収
録し、それを聞いている人が殆どでしょ。

斯く言うcocもiPod(第五世代)の愛用者ですが、改めて思うんです
。便利になったなぁっと。

レコードを経験してる世代としては、まずレコード自体の手入れの
面倒。よほどのハイスペックモデルでない限り、A面とB面を手動
で引っくり返さなきゃいけない面倒。

これでCDとなり、格段に取り扱いも便利になり、音質も劇的に向上
したわけですけど、このCDとレコード時代に共通して密接な関係に
あったのがカセットテープです。

今の子供なんて、カセットテープを見たこともないなんて子、居て
も不思議じゃないですが…、1995年の市販MDレコーダーが一般発売
されるまで、レコード、CDの原盤音源を編集するには常にカセット
テープというのが主流でした。

このカセットテープがね、今じゃ考えられられないくらい面倒で…

なにせ、今の時代の音楽はデータの量が編集する上での単位ですけ
ど、昔は時間が単位だったので、カセットテープに録音する時に、
どの曲を入れて、どの曲を省くかを時間で計算していたものです。

フェイバリットテープを作ろうものなら、その曲順、時間、更にA
面、B面の残りの無音時間まで考慮して作ったものです。

いまなら、曲順なんてプレイリストを弄れば直ぐに変更できますけ
ど、カセットテープの曲順はそのまま録音した順ですから、違和感
のある曲順では録音できません。

そして、片面が何分のテープか。入れたい曲と曲順の構成で、どこ
までその時間ギリギリまで録音できるかっというのを考える面倒が
ありました。

特に残り時間というのが重要。片面40分のところ、37分録音し
て終わりにして、もう片面に次の曲から録音とかってすると、片面
の最後らへんに3分の無音時間が出来てしまいます。

オートリバースで再生してるときに、その3分の無音時間は何百年
も栄え、栄華を極めた一族の居城が廃城となるくらい淋しいもので
す。

ですから、極力ギリギリまで録音するような時間配分を考えなけれ
ばいけません。だけど崩したくない曲順もある。そこのせめぎ合い
と格闘しながら、無音時間を10秒以内に納めて作る苦労と言った
ら…

まぁ、そういう苦労が逆に楽しかったんだよっていう人も居るでし
ょう。

事実、cocも自分の好みだけで好き勝手に選曲して、想定した曲順
もそれほど崩さずに両面とも無音時間5秒以内に作る事ができた時
は、何とも言えない達成感で満たされたりした経験ありますし。

その後、MDが登場して一気に市場はカセットテープからMDへと切り
替わりましたが、時間という制限の縛りだけは残ってしまいました

しかし、PCにCD音源を取り込む行為が広く一般的になり、MP3とい
う取り扱いやすいファイル形式が普及してからは、CD音源をMP3に
エンコードして保存。そのデータをポータブルプレイヤーに転送し
て聞くというスタイルに推移していったのは言わずもがなです。

事がそこに至って、ようやく時間の縛りから解放され、大容量メモ
リの低価格化が更に大量の楽曲を持ち運べる事に繋がり、今では体
感で殆ど無尽蔵と言えるくらいな容量のデバイスさえあるわけです
から、フェイバリットテープを苦労して作った世代の辛さなんて、
もう完全に遺物ですね。

そんなことをフト考えたら、今の子らはあれもこれも便利でいいな
ぁって思っちゃうわけです。

ってか、こんなのただの年寄りの懐古話ですよね^^;

うちらが"戦争中は…"なんて話を聞いてもしっくりこないように、
今の子らにカセットテープの辛さと、その達成感を話したところで
「だからなに?」って言われておしまいでしょうw

でもね、知っててほしい。DVDゲームやUMDゲーム、数百メガのロム
チップゲームなどが当たり前だけど、昔はゲームもカセットテープ
だったんだぞっと。ゲームなのに巻き戻し、早送りという名のセー
ブ、ロードに尋常じゃない時間を待たされたんだぞっとw

知り合いの近所の御兄さんがカセットテープでゲームを動かしてた
のを見たときの衝撃は今でも忘れない。

そして、やったことも見たこともないけど、時代がフロッピーディ
スクに移り変わった時代のPCゲームには場面変更のアクセスロード
に40分とか待たされるような作品もあったそうです。

40分ですよ。40分w

御飯食べて、シャワー浴びれるじゃんw

なんでもかんでも即時即物、そんな時代になってるんだから、そり
ゃ、すぐに"キレる"子が現れても納得出来ますね。

そのゲームを続けるか、やめるかを決める判断すらも40分を待た
なければいけなかった世代にとってみれば、今の世の中は何をそん
なに生き急いでるんだって感じに映るのかもしれません。

便利になったことで失ったものがある。そんなセリフをどこかで何
度かは目にしてますが。確かな実感として少なくとも、会心の出来
のカセットテープ録音が完了したあとに、自分史上一番キレイな字
でインデックスカードに曲名を記入していく時の恍惚感は失ってし
まったと断言できます。

それが失っても良かったものなのか、そうではないのかの判断はこ
こでは下しませんけど…

さて、ダラダラと年寄りの昔話を展開してしまい申し訳なかったで
す。でも、たまには昔を懐かしんでみるのもいいもんです。

それでは、充分懐かしんだことですし、今回はこれにて。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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