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乙女のらぶらぶサッカー Vol.111 南アフリカW杯 アジア最終予選 対オーストラリア戦

今日の試合は現在の日本の現状を如実に語る結果となりましたね。

無論、戦前というか、最終予選の組み分けが決まった時点でオーストラリアに2敗することはcocさんの中で確定してましたけど、今回の1-2で敗北というのは、日本のレベルが所詮はアジアレベルだということをハッキリと示す敗戦となりましたね。

オーストラリアはこの最終予選を無失点で最終戦の日本戦まで来ました。

その無失点記録を止めたのが日本なわけですが、それを"さすが日本だ!"っと思う人も居るかもしれませんし、"意地を見せたぞ"と思った方も居たかもれません。

しかし、そういう問題ではないんです。

今回の1-2というスコアは、驚くほど当たり前に現実を現した数字です。

確かにオーストラリアの無失点記録は破った。でも、負けた。

考え方を単純な足し算、引き算に代えると、グループリーグ1位のオーストラリアの無失点記録を破る可能性が一番高いのは次いで2位に位置するチームということになりますよね。

その単純な計算通り、2位の日本がオーストラリアの無失点記録を破った。でも勝てなかった。そこには超えられない壁がハッキリとあったということで、所詮、日本はアジアレベルであるという現状を突き付けられたのと同義な試合結果だと言えるでしょう。

そして、これは同時に本大会でベスト4などという目標は絵空事であるという現実を曝け出したということにもなります。

オーストラリアがオセアニア地区からアジア地区へと転籍になり、FIFAの構成枠としてオーストラリアはアジアとなったわけですが、彼らのプレイスタイル、そして資質など欧州のチームであると言ったほうが適切です。もっと的確に言うなら欧州の中の下クラスのチームとほぼ同等の力を有してるチームと言えるでしょう。

そのオーストラリアに負けただけでなく、決定的なシーンを一度も作らしてもらえずに、セットプレーの事故みたいな得点で一点取れただけで何も出来ずに終わったわけですから、本大会の戦いで4勝を上げるなど…(予選リーグで2勝、決勝トーナメントで2勝でベスト4という計算)余程組み合わせに恵まれないと不可能です。

しかし、まだ本大会まであと一年あります。たった一年しかありませんから、出来ることなどたかが知れてますし、そのどれもが無駄な足掻きでしょうけど、その無駄な足掻きででもやるべきことはあります。

まず第一にするべきなのは監督の交代。現状の代表メンバーの選出において余りにも御粗末過ぎる点と、サイドアタックを起点としたパスサッカーと連動制を重視したプレッシングサッカーは、後者は良いのですが、前者がダメです。その戦術はアジアでは通用しても世界には通用しません。

通用しない理由はサイドを起点にしたところで、サイドバックから供給されるラストパスの精度が低すぎます。今回の試合で起用された長友、内田の両サイドバックは運動量こそ非凡な物はありますが、ラストパスの精度の悪さは御話になりません。

サイドバックが運動量だけでカバー出来るポジションとでも言うつもりなのでしょうか。前時代のウイングフォーメーションでサイドを駆け上がっていれば良かった時代でもあるまいし…。

更にサイドを基点とする戦術を重視してはいけない理由は、日本人FWの資質にもあります。どうしてパスが出せそうな時しか飛び込まないんでしょうか…。

2トップならニアとフォア(中継画面で言うなら奥と手前という意味)にそれぞれが時間差で走りこめば、サイドから送りやすいんですけど、放り込んで来そうなときだけ走り込むだけでは、相手に読まれてしまいます。

重要なのは相手ディフェンス陣が守備時において選択肢をいくつも脳裏に浮かばせるようにすることなんです。

サイドを基点にしてくるみたいだから、守備体系整ってる時はプレスして潰すような素振りを見せてセンタリングをあげさせるチャンスをくれてやれ。そしたらノーアイディアでボールを放り込んでくるだけだから。っとオーストラリアに完全に読まれてましたよね。

しかもFWが飛び込んでくるのはセンタリングが上げれそうな時だけなんですから、相手DFは放り込んでくるタイミングに関して迷わずに済みます。

来るのが判っていても防ぎきれず失点してしまう。そんな事故でも起きない限り欧州レベルのチームからはあの戦術で点を取ることは不可能です。

どうしてもサイド攻撃の戦術でいくならば、もっと前線の選手の距離をコンパクトして、パスの出所がどこなのか相手に迷わせる事と、何度も繰り返しオトリの動きで相手DFの裏を取る素振りを見せ続ける動きを徹底するFW陣が必要です。

そして、それらを活かす為に最低でもドリブラーが2人必要ですね。中に切り込んでくる鬱陶しい奴がチョロチョロと動き回るだけで、相手DFはとても守り難くなります。

そういった意味で、今回の試合で重要な存在だったのが松井なんですが、どうも岡田さんには松井を下げると攻撃が更に単調になるということが判らないらしい。そしてオーストラリア相手にパワープレイで点が取れるという、どっから引っ張り出してきたわからない得体の知れない強い根拠をお持ちのようです。

高さで圧倒されてるのに、松井に変えて長身の矢野投入。高さ勝負挑みに行きます。腕相撲チャンピオンにちょっと腕が太くて力があるから、腕相撲勝負して勝ってこいと言うような無謀と同じことですよ。

相手が腕相撲チャンピオンなら、指相撲の上手い奴を当てて、指相撲勝負に持ち込むのが勝負の駆け引きとして定石でしょ。

今回の試合で必要だったのは高さでなくテクニシャンです。松井を残したままにして、玉田に代えて興梠を投入、ボランチは今野に任せて阿部をオフェンスに上げて、闘莉王は守備に専念させる。これで松井、中村憲剛、阿部のテクニシャンでトライアングルを形成して、興梠と松井がドリブルで突っかけつつ、ゴール前に放り込んだボールに岡崎をとにかく突っ込ませる。

最低でもこれくらいのことはしてくれないと、高さ勝負の相手に高さ勝負なんかを挑まれては戦術も何もあったもんじゃないです。

こうして、隙あらば中央狙うぞという空気をプンプン漂わせてこそ、サイド攻撃も生きるというもの。格上の相手に、今からサイド攻撃です。僕らは常にサイド攻撃です、左サイドにボール集めます、無理ならサイドチェンジして右にいきます。結局どうしてもサイドなんです。っという手の内晒しまくりで戦って勝てるわけないっしょ。

相手が強いなら、その強い力をスルっとかわすというような駆け引きを戦術に用いれない人に監督やってもらうと困るんです。

そして、選手起用の面でも問題が多いです。人材不足もわかりますが、テクニック皆無の直線的な勢いだけ、でも無理はしないという何とも中途半端な玉田。勢いもテクニックもなく、ただ高いだけの矢野などを長々と代表に呼び続けてる時点で監督としての人材を選ぶ目は無しと結論を出すしかありません。

ですから、まずは監督を交代させ、代表選手の大幅な入れ替え。これが本大会で"一勝"を狙う上で唯一の可能性を残してる対応策だとcocは考えます。

一年でどれだけのテストマッチを組めるかわかりませんし、監督を交代させ、選手の大幅な入れ替えをするなら、グズグズしていてはダメです。即実行、即強化していかないと"一勝"の望みは絶たれるでしょう。

無論、参加することで満足。ドイツの様に全敗してもW杯本大会開催時に日本のチームがそこに居たということだけで充分な慰みになるというのであれば、このままでもいいですよ。

ですけど、やはり出るからには勝負してほしい。勝負できる可能性を秘めたチームで挑んで欲しい。ベスト4などという階段3段飛ばしとかでなく、是が非でも!死に物狂いで1勝してやる!っと言ってくれる監督をまずは望みます。

田中達也、岡崎、中村俊輔、松井大輔、長谷部、中澤、中村憲剛、阿部、遠藤と良い選手は結構居るんですから、キチンと活かしてあげて欲しいものです。(長友、内田、闘莉王は個人的にまだ良い選手とは言えない…)

ま、とにかくこれでアジア最終予選は終わりました。戦前予想通りの2位通過。よく言えば予定どおり、悪くいえば無成長のまま終えた予選でしたね。

この結果を真摯に受け止め、代表が本大会で勝つために必要な決断が何であるかの正しい判断と、その判断の時期を日本サッカー協会が誤らないことを願いつつ、今夜はこれにて終わるとします。

それではまた。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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