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乙女(信長)の野望 天道 史書 第一項


先頃、コンシューマー機への移植が発表されたばかりの「信長の野望 天道】ですが、そのwindows版を遅れ馳せながらプレイしてみました。

世間では、前作の【革新】との比較で不評と悪評が目立ちますが、実際にプレイしてみると、最初こそ【革新】の入れ物をそのまま流用しただけの外見に惑わされて戸惑いましたが、ゲームの流れを理解してからは、結構面白く遊んでいます。

ただ、どうしても【革新】と比べてしまいますね…。まぁ、世間では皮肉を込めて"天道は革新のPK2(パワーキット2)だろ?"と言われてたり、4年も空けて、まさかの前作をそのまま流用しただけとは…とかって言われてますけど、確かにそれは正しい言い分ですw

正に入れ物は同じです。その同じ入れ物を使い別のゲームに仕上げてみましたってのが天道です。

しかし、革新と比較して、それほど劣っているとは思えません。

入れ物は同じだけど、コンセプトとバランスが全然違うんです。

革新は、とにかく【鉄砲櫓】に始まり、【鉄砲櫓】に終わるといっても過言ではない、罠ゲーでした。

革新の内政について大雑把にその仕組みを解説すると、自領の中に定められた数の町並みというマス目ユニットを建設します。で、その町並みを建てたら、町並みの周囲8マスに建築物を建てていきます。

町並みには武家町や職人町、農村など複数の種類があり、町並みによって建設できる建築物には制限があり、そして町並みとそれを取り囲む建築物は平地でしか建設できません。町並みを建てても周囲8マスのどこかが平地で無い場合、建てられる建築物はその平地ではない数分減ります。

そして領内(1国内)に建てられる町並みの数には定められており、史実上の安土桃山時代に栄えていた地方では多く設置でき、またその逆は少ないというのが主な内政建築の仕組みです。

この平地制限、数量制限を意識しつつ、領内のどこに町並みを建設するかが重要になってくるのが革新でした。

先に書いたように、革新は罠ゲーであって、その主役は鉄砲櫓です。ですので、敵が進軍してくる街道沿いに鉄砲櫓を建設できる町並みを並べ、最前線の自領を要塞化して、敵をおびき寄せて敵軍の勢力を弱体化させていくというのが常道になるのです。

その一例の画像がこちら(画像クリックで拡大)



黒い鉄塔のように見えるのが鉄砲櫓です。この鉄砲櫓が凶悪でして、やたらと耐久力が高く、攻撃力が高いのです。画像で建築してる程度の数を配置すれば、まず城は落されません。敵部隊は城に張り付く前に壊滅的な損害を受けており、仮に城に辿り着けたとしても落城させるほどの持久戦を行えるほど兵数は残ってないのです。無論、攻め込んくる部隊数とその総兵数にも寄りますけど、凄まじい大軍が攻めてくるなら、その前に周囲の敵上の配置兵数が増えまくりますから、事前にいくらでも対処できます。

この様に鉄砲櫓で要塞化した最前線の領内の城からゴソっと兵を後方の安全な領内の城に輸送してやると、城の兵数が少なくなったと判断したCPUは攻め込んできます。で、進軍してきた敵軍を鉄砲櫓で撃滅していき、隣接した敵国の兵数的弱体化を促すやり方が非常に有効でして、それを指して革新は"罠ゲー"だと評してるのです。

そして、こういった要塞化を施す事で内政や軍備拡張などに腰を据えたい時にいくらでもじっくりと自国の強化に集中できるんです。攻め込まれても、要塞化してありますから、落ちませんしね。

そういった意味で革新のバランスは"攻低守高"だったと思います。

一方、同じ入れ物を使って作られた天道ですが、これは全くの真逆で"攻高守低"なバランスになっています。

最大の要因は、2つ。

・任意の場所に町並みを配置できなくなった。
・櫓などの防衛施設が大幅に弱体化した。

つまり、革新で核だった要素を全てなくして、ノーガードで打ち合うボクシングのようなバランスになっているのです。

天道での町並みは最初から固定配置されており、その町並みまで街道を敷いたら支配できます。支配した町並みの中に8つまでの施設を建築可能ですが、この町並み奪うのは簡単なのです。工作隊(街道を敷くのもこの人ら)をその町並みにもっていくだけで奪えてしまうのです。無論奪いに動けば敵城から撃滅部隊が出陣してきますけどね。

しかし、櫓などがかなり弱体化しており、攻撃力の面では全然期待できなくなって、耐久力も極めて低くなったので、国境の防衛はそういった施設では全く役に立ちません。

なので、革新と比べて、かなり考えて領内拡大をしていかないといけません。なにせ防衛の決め手は最前線となってる城の兵数になってしまいますから、無闇に敵国を切り取っても敵国と面してる地域、つまり最前線を増やせば増やすほど兵が必要になってしまうからです。

参考画像として一枚掲載します(画像クリックで拡大)



小さくポツン、ポツンと建っているのが櫓で、画像左下に配置ししてある四角形の施設は砦です。双方共に敵部隊が近づくと、自動で弓攻撃をしてくれます。

しかし耐久度が低く、櫓、砦を壊すのであれば、兵数2000有れば数個の砦と櫓を一掃出来てしまいます。

ちなみに1武将の受け持ち兵数の最低数が1000で、部隊は最大で5人の武将で組めて、総兵数が2万を超えた状態とかで敵の城に向ったりするのですから、、2000という兵数で一掃出来てしまうというのが、どれほど貧弱な施設であるか判って頂けるかと…

しかし、全く無駄というわけではありません。CPUの部隊は敵施設を素通りして目的地に最優先に向うという動きをしません。僅かな時間とはいえ、こういった施設の破壊に足を止めてくれるのは、最前線の兵数が防衛の要である天道では、その僅かな時間稼ぎが、別の最前線や、複数の最前線に兵を輸送する為の兵の待機場所にしてしているような後方の中継拠点から兵を輸送する時間を作ることになります。

このように非常に攻め込み易い、攻め込まれ易いバランスになってるので、気を抜くとあちこちの城が攻められて大忙しになってしまいます。

ただ、そういう戦の時に街道を使った駆け引きなんかもできます。敵軍は進軍時に通してる街道を通って進軍するという性質があるので、敵国に複数の街道を引ける立地条件なら、開通していない街道を急いで開通させ、その街道を使って後方の城から部隊を進軍させれば、手薄になった敵城を強襲したりもできます。正に搦め手ってやつですね。

しかし、一番の攻略法は、やはり最前線を可能な限り減らすということになります。

最前線が多くなれば、その最前線の城の強度を上げておかないとマズイので、改築といった城普請に多くの資金をもっていかれてしまいます。そして、最前線が多くなれば、その分多くの兵士が必要となり、後方の城で募兵した兵士を輸送する際に兵糧が浪費されてしまい、ジリ貧に陥る可能性があります。

この募兵というのが天道では知恵の使いどころでして、募兵するには、兵舎か道場という施設を建設しなければなりません。兵舎は武家町のみに建設可能。道場は武家町と匠ノ町に建設できます。

しかし、町並みが簡単に奪われてしまう可能性のある天道では、最前線の領内の武家町や匠ノ町に兵舎を建設して募兵するのは危険です。町並みを奪われたら、募兵施設が無くなるわけです。

更に最前線で募兵すると厄介なのが、民忠と扇動です。民忠というのはそのままの意味で民の満足度です。募兵を行うと10減ります。民忠が80台になり、敵国から計略で扇動を仕掛けられると民衆が圧政に怒りを爆発させるといった感じで百姓一揆が発生してしまいます。

百姓一揆が発生すれば、領内の町並みに農民隊が出現し、町並みに建設してる施設を破壊しようとします。更に農民隊が現れた町並みからの収入が農民隊を成敗するまで止まってしまいます。

ですので、扇動は隣接している敵国のみに仕掛けられるという仕組みと、町並みはその所属を隣接してる領内に所属を変更する事が可能という仕組みを利用します。

所属を変更するというのは、現代の日本の置県を例に出しますと、東京に建てた施設は東京と隣接している、千葉、神奈川、埼玉、山梨、茨城のどれにでも所属を変更することが出来るのです。

仮に山梨が敵国で、東京と茨城が自領だとした場合、東京に存在する武家町や匠ノ町の所属を茨城に変更します。そして茨城には元々武家町が2つ在ったとした場合、東京から所属変更した2つの町並みを合わせて、武家町が3つ、匠ノ町が1つ在る事になり、それぞれに兵舎を8個づつ建てれば、32軒の兵舎を持った状態で茨城で募兵が行えるのです。募兵には統率の高い武将が行えば集められる兵数が高いですし、そういう武将をあちこちに点在させるよりかは、一つの城に兵舎施設を集めて有能な家臣1人で事を済ませたほうがよいのです。

さらに、茨城で募兵を行い民忠が下がっても、山梨からは東京を挟んだ向うにある土地なので、扇動を仕掛けられません。

ただし、この方法のネックは、茨城で集めた兵を輸送する時に、兵糧を消費してしまうのです。移動させられる兵も道中で御飯食べるでしょ。これが地味に響いてきたりします。

更に言うなら、四方を自領で囲われた安全な地域というのはなかなか作りにくいので、募兵専用拠点をあちこちにつくるのは容易ではないのです。なので、最前線との距離が離れてしまい、輸送に随分な日数が必要になってしまったりすると、兵糧の減り方は凄まじいです。

最前線の数をマネージメントするのと同時に、こういう第2前線での募兵拠点の配置まで考えないと、円滑な領土拡大は行えません。

にも関わらず、領内防衛は兵数に頼るしかなく、要塞化は不可能となってるわけですから、正にノーガードで打ち合うような激しい領土合戦が繰り広げられます。

そういう意味ではジックリと時間をかけて富国強兵したい人には天道は向かないかもしれません。

革新にあった、町並みをどこに設置して、敵軍が進軍してくるルートをどんな風に脅かしてやろうかという内政配置の自由度は天道にはありませんしね。

しかし、落ち着く暇がなく、常に先手を打っていかなければならない天道は、その仕組みを受け入れられたら、中断するタイミングが作れないほど熱中して遊べます。

現に昨夜は気が付けば早朝でしたしw

さて、最後にcocさんのプレイ進行具合です。(画像クリックで拡大)



織田家で始めて、時は1575年。信長の嫡男である信忠が元服して数年たった頃ですね。

初プレイですから、プレイの進行具合が遅れてしまい、西から毛利、東から南部家の猛威を受けて苦しんでる状況です。

特に南部家がヤバイです。北条家、武田家、上杉家、伊達家を飲み込んだ家臣団は強烈で…、北条氏康、武田信玄、上杉謙信の3将が連なって攻めてきた時が織田家存亡の一大事でしたねw

北信濃らへんに斉藤家が生き残ってるが意外で、毛利の脅威を凌ぐ為に同盟したいのですが、織田家と斉藤家でしょ。100%同盟には乗ってきてくれないし…

そして、北畠家の本城、筒井家に落されて滅亡しかけてる時に、漁夫乗りよろしくといった感じで、落城間近の北畠家に攻め入り、筒井家が落城させ、耐久値が0になってる城に攻めかかって、一気に城を奪ったついでに、筒井家に捕縛されていた北畠具教の身柄を確保し、家臣に加えてたのですが、先ほど…川越城周辺での南部家との衝突で討ち死にされてしまいました…。

北畠具教と共に身柄を確保して家臣にした柳生宗厳との剣豪タッグは織田家の主力の一翼だっただけに…かなりの損失です。縁組して一門衆に加え、役職も与えて厚遇していただけに、かなり滅入ってます。

そして、このまま北条、武田、上杉を飲み込んだ南部けの猛攻に屈してしまうかもしれまん。まぁ正直なところ最初からプレイしなおしたいなっとは思ってますけどね。

ま、そんなわけで。世間で言われてるような酷い出来ではないですし、合う合わないというか、革新は革新、天道は天道と別物として意識を変え、天道の見た目が革新と同じだからと、天道に革新のあれがない、これがないという考え方にならない限り、キチンと遊べる仕上がりですので、興味のある方は是非遊んでみてください。

それでは今回はこれにて。




*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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