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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.84 据え置き機の未来 後編

本日は、昨日に掲載したコラムの後編となります。

それでは早速、後編の本編へどうぞ。

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cocも含めた濃いゲーマーにとっては、現状でも据え置き機と携帯機には違いがあるし、据え置き機のほうが優れているし、携帯機タイトルの方は、あれやこれやと内容が削られていたり、システムが簡易化されすぎてたりしていて余り歓迎できませんし、やはりゲームは据え置き型でしょって感じてますが、先にも書いたように、売れる、売れないの大勢を決する鍵を握るのは、濃くないユーザーの方々の財布がどのタイミングで開かれていくかに掛かってるので、現状の据え置き型と携帯機の差が一般の人から見て、即座に明確に見えないという状態では、やはり据え置き機はこれからも苦しい時期が続くでしょう。

だからといって、据え置き機はどうすれば良いのか、はたまたオンラインゲームを選択したのが間違いだったのなら、正解はなんだったのかっていう点については明確に言及はできません。恐らくそれが判っていれば、私は今ここに居ず、業界側に居ると思いますしw

ただ、あくまで個人的な考えですが、以前から何度もここで書いるように、網膜センサーと荷重移動センサーを搭載したゴーグル型モニターの一体型ゲーム機による本格ヴァーチャルリアリティーの実現というのは3Dの次のステージとして相応しいのではないかと思っています。そして、それ以外に3Dの次のステージってcocのような凡人には思いつきませんし…。

とにかく現状では、携帯機ならではの機能、携帯機だから実現してるコンテンツというような、携帯機の特性を昇華させたような動きが目立ってる点において、携帯機の存在価値が増しています。

ですから、やはり据え置き型が再浮上するには、据え置きだから実現できる遊び、いくら頑張っても携帯機には不可能な遊びの開発。そういった存在の意義と価値を明確に示せる方向性で技術の進化を行っていかなけば、益々苦しくなっていくでしょう。

そういった意味で言うなら、本当に、"真剣" にグラフィック重視のみにセールスポイントを置いたようなソフトを出し続けていては危険なんです。

一昔前なら、そういったグラフィックゲーム、ムービーゲームに対して、皮肉を込めた「おいおい…」という言葉を投げ掛けては黙殺して終わりっというのが、生粋系のゲーマーの常でしたけど、そろそろ本気でそういうソフトは駆逐していかないとマズイです。

携帯機のテクノロジーがこれほど向上している最中、据え置き型のタイトルの移植も、グラフィックを多少荒くするだけで移植できてしまえる状況において、グラフィックゲームやムービーゲームなんかを出すってのは自殺行為に等しいのです。

国内ビックタイトルの1つであり、広く一般の人にも認知されてるシリーズタイトルの最新作にも関わらず、こういうのは作ってはいけませんという典型的な内容でFF13がリリースされましたが、あんなの正気の沙汰ではありませんよ。据え置き機がこんなに苦しい時期に、ムービーゲームって…据え置き機だけじゃなく、作ってる中の人も"出来ない子"なのかよっと呆れ果ててしまいます。

こういうビックタイトルと言われてるシリーズを抱えてるチームこそ、もっと自覚してほしい。何を作ってはいけないかってことを。

PSP2、DS2と呼称されている、次世代の携帯ゲーム機の開発も大詰めを向え、いつ公式に発売のアナウンスが放たれてもおかしくない状況で、テンプラを二度揚げ、三度揚げして衣の見栄えばかに力を注いでいても、浮上のキッカケには繋がりません。

そして、PS2ソフト程度なら楽々動いてしまうような携帯機の登場を迎えた時に、据え置き型が相も変わらず、ムービーと、一本道で指示されたボタンを押してるだけの操作パートが繰り返されるだけのようなタイトルばかり出していたらどうなるでしょう?

今という時間を無為に浪費することがどれほど危険か。それほどまでに据え置き機には危機が迫っている。そう感じてるのはcocだけでしょうか?

このまま現状のテクノロジーの安易な肥大化だけを糧にしていけば、5年後の据え置き機で走ってるソフトは、もっともっともっともっと綺麗なムービーゲームですよ。その証拠に現状は10年前のもっともっともっと綺麗なムービーゲームがリリースされてるわけですよ。それで良いのですか?それで楽しいのですか?

2Dから3Dにゲームの主流が切り替わった際に、そのテクノロジーの進化を追い風にして、多くの新しい遊びが生まれました。3Dになってから沢山の新ジャンルが生まれたのがその証拠です。

そして、もう3Dは飽和しているのです。3Dで出来ることはすべてやり尽くしたと言っても大袈裟ではないでしょう。

新しい遊びが生み出せなくなってるこの状態から抜け出さないかぎり、何年経とうが3Dの世界にボテボテの贅肉を引っ付けていくだけです。

そこを打破する上で、1つの可能性として登場したWiiの擬似体感ゲームという市場は、擬似であった為か直ぐに飽和してしまい、3Dの次のステージには成り得ませんでした。

では、何が良いのか。どうしていけば良いのか…。

その答えを探る動きさえ見えない事が、大問題だったりするのです。

擬似体感ゲームが飽和し、横を向けば、相も変わらずグラフィックゲームをやってるわけです。

しかも、擬似体感ゲームが終焉しつつあるにも関わらず、MS勢とSCE勢はその体感ゲーム機路線に追随する構えを見せている始末で…。

そのMS勢とSCE勢が提供する体感ゲーム路線の完成度がどれほどのものかはわかりませんが、Wiiで飽和してしまった体感ゲーム市場を再び活性化させ、それが据え置き機の3Dの次のステージと言えるほどに成功するとは到底思えません。

思えませんが…、3Dで技術の並行運用と贅肉の付け合いをしてるよりかは幾分マシですし、そこから何か光明が見えてることを願いつつ、据え置き型の未来を憂うcocさんなのでした。

それでは、今回はこれにて。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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