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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.85 SCEの行方 前編

任天堂が3DSを正式発表し、6月のE3でその詳細を発表するということになっていますが、気になるのがSCE陣営の動向です。

既に周知の事だと思いますが、SCEは一旦解体され、ネットワーク部門をソニー本体に組み込まれ、開発と販売部のみで構成される新体制のSCEを立ち上げましたが、この一件については色々と揶揄されてます。、ですが、要点はSCEが旧体制のままで運営していくことがNGであると判断されたっということは確かな事なのです。

この解体騒動をネガティブに捉えたり、新たなステップの為のポジティブな決断と捉えたりと、その事実をどう受け止めるかは様々です。

しかし、PS3事業が大失敗となっている事実、9000億の赤字を生み出したのがPS3であるという事実は揺るぎません。

だからといってSCEがゲーム事業から撤退かっと結論付けるのは早計です。それにここまで大きく肥大してしまったプレイステーションというブランド事業を閉じるとしても、相当な費用が必要になってきます。「やめちゃいます」だけで済まない規模になってますし、本社であるソニーが倒産しない限り、プレイステーション事業が今後も生み出す負債の責任の所在はソニー本体が引き受けることになるわけですから、そう簡単に撤退はできません。

倒産でなく、撤退にはなぜ費用が掛かるか?この点についてを軽く説明しますと、事業を行うということは、多くの契約を取り交わすことです。開発、製造、販売、それらにともなう雇用。それらの契約を破棄する場合、事業の規模が大きければ大きいほど莫大な費用が必要になってくるのです。無論、本社が倒産してしまえば、その限りではないですけどね。

小さなお店を閉店させるにも、それなりの体力が必要です。店舗の賃貸契約の解除に伴う違約金、リフォーム義務の契約を交わしていたのなら、リフォーム費用。取引先との契約解除に伴う違約金などなど。

つまり、倒産するのは簡単なんですが、会社を存続させつつ、事業を閉めるというのは大変なんです。

SCE解体がその為の準備に行われたことなのかどうかは、定かではありませんが、現実問題として繰り返しになりますが、現行体制で継続していくことはNGだと判断されたから、こういった解体及び業務整理が行われたわけです。

で、今後のSCEがどういった動きをしてくるかが、ゲーム業界的には重要な要素となるでしょう。

任天堂が3DSを発表し、DSの高性能化が確約されたということは、Wiiの次世代機の投入はカウントダウンの時期に入ったということを意味しています。携帯機のスペックを上げてから、据え置き機を現行のまま2~3年という長期間使い続けるというのはスマートな方法とは言えませんしね。

いくらユーザーのニーズが変化しているとはいえ、据え置き機が上位機種であるという立ち位置は崩すべきではないでしょう。

するとSCEはどこに新しい利益の可能性を見出すかです。

3DSに対抗して新型PSPを出すのか?それともPS3ブランドを家電コンテンツへと移行させ、開発と製造コストを抑えた上でゲーム機として特化し、家電的な汎用性を排除した新型の据え置き型ゲーム機を出すかという二択になります。

しかし、その二つともに余り期待できないというのも事実です。

PSPは日本国内ではまずまずの成果を挙げていますが、北米市場では完全に死んでいます。新型PSPを投入しても、現在圧倒的な差を付けられてるDS市場に食い込むことは不可能でしょう。かといってそれなりに健闘している日本国内の市場をメインに捉えて新型を投入しても、国内市場ではその絶対的なπが小さすぎて、SCEの事業を支えるほどの利益は見込めません。

では、任天堂より先行して、新型据え置き機を出すのが吉なのかというと、それもまた…。

PS4と銘打って出すには、あまりにも早すぎる。だからといって家電的な汎用性を削除した新型の廉価版PS3を出したとしても、ハードラインナップが増えるというのはユーザーが混乱してしまいす。特に大きな利益を生み出す層であるライトユーザー達にはシンプルなラインナップでないといけません。

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今回はここまで。明日の後半に続きます。

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*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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