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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.85 SCEの行方 後編

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昨日からの続きとなる後半です。

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ライトユーザーは考えるのを嫌います。選ぶのも嫌います。お店に行って、PS3が何種類も並んでいては、その時点で買う気が失せてしまうのです。このタイプではこれが出来て、これができない。あのタイプではあれが出来て、あれが出来ない。そういった任意の選択を迫られるのを嫌うのです。

何故かと言うと、解らないからなんです。何が出来て何が出来ないと説明されても、その意味が判らないのです。それが出来ないことでのデメリット、これができるメリットなどを説明されても、普段からゲームに強い関心を示してない人にとっては判らないし、どうでもいいことに思えるんです。どうでもいいことに選択を迫られ、選ばなきゃいけない。すると、なんか面倒くさそうだから…やめとこってことになるんです。

なんとも歯痒い感じがしますが、そういう層がこの業界の利益の跳ね上がりを担ってるのです。ですが、そこを取り込めば莫大な利益を得られるわけです。

現在、その層を掴んでるのがDSですね。次いでWiiです。

ここに食い込む上で重要なのはやはりシンプルであるということでしょう。

現在、PS3の生産において発生していた逆鞘現象(作る度に赤字になるという現象)は使用してる半導体などの低価格化が進んだことで、解消されたと言われています。しかし、PS3は家電的要素というか、付加価値的な要素が多すぎてライトユーザーには犬猿されています。つまり機能の逆鞘現象(多ければ多いほどライトユーザーに煙たがられる)を解決しなければ、活発にハードの台数は動かないでしょう。

先頃発売された、torneもゲーム機の周辺機器としては異例の初動数値をはじき出しましたが、初期出荷量の少なさから、ハードの台数にまで影響を及ぼすような事態には至りませんでした。

家電路線のアプローチでも躓いてしまった以上、やはりゲーム機という路線を強調した戦略に転換し、そこへ開発の方向性を集中させることが、任天堂陣営に食い込む為には必須だとcocは感じます。

PS4を出してしまうのは、PS3の失敗を強く印象付けさせるだけなので得策ではないでしょうから、やはり新型のPS3でしょうね。

けれど、ただの廉価版ではなく、上述したとおり家電的要素を排除し、ゲーム機としての機能のみに特化させ、更にPS1、PS2との互換性を復活させて、プレイステーションブランドのゲームはこれ一台でOKですという、誰にでも理解し易いセールスポイントでPS3ハードのメイン機として展開させていけば、Wiiの次世代機が登場するまでの間に既存ゲーマーとライトユーザーの抱え込みも多いに期待出来るのではないでしょうか。

そして、新型PSPの投入は無期限の凍結にしたほうが得策だと思います。

3DSが発表され、iPhoneが携帯ゲーム機市場に物凄い勢いで食い込んますし、その据え置き版とも表現できるiPadの動向も未知数、更にMSも新型スマートフォンの発表をすると言われてますし、iPhoneの成功を見てしまったMSとしては、この2~3年はスマートフォンの開発にかなりの力を入れてくるのは当然の流れです。

ゲーム屋としての王道と本道を突き詰めて勝負してくる任天堂と、多機能モバイルでの競い合いをするアップルとMS。この激戦化している携帯機市場に乗り込んでいくのは余りにも無謀です。特にPSPの北米での悲惨な状況は言葉を失うほどで(携帯機シェアでは1割を切ってます)、その明らかな失敗というレッテルを貼られたPSPというハードでは、例え新型需要を背景にしたところで焼け石に水、ネオジオポケットがネオジオポケットカラーになったくらいにガン無視されるでしょう。

昨今、ゲーム市場に於いては、据え置き機が不利だと言われ続けてます。しかし裏を返せば、据え置き機市場に可能性が残されているということです。その可能性はなんなのか?その答えに辿り着けるかどうかが、SCEの将来の鍵を握ってると思います。

苦言を言えば、PS3でWiiが出来ますよ的な周辺機器を出してるようじゃダメです。

とにかく、SCEは利益を生まないといけません。先頃のSCE再編成がどういった意味合いで行われたの結論は、利益が出なければ撤退、利益を出せるなら新体制の発足ということになるでしょう。

セガもハード事業の徹底間際には色々やりましたよね。事業再編ってのを。開発室を分社化して、再統合したり…。

とにかく撤退が決まってるわけではないけど、そうならないように動き出してるという現実は確かです。そうならないように動き出してるということは背水の陣という状況ですね。

セガはその背水の陣で成果が出せずに散ったわけです。いろんな事をやってましたよね。ヤバイぞってなった頃にはとにかくいろんな事をやり出します。下手な鉄砲…ってな感じでね。

ツタヤと提携してソフトのレンタルを実験的に行ってみたり、後払い方式でのソフト供給、ドリームコールで音声通話サービス(今で言うところのスカイプ)、WEBとIRCを連動させての、どこでもチャット。セガカラとDCとの提携、WEBカメラと連動したソフト開発。メガドライブのタイトルをダウンロード販売で遊んでもらうドリームライブラリー。どこに金脈があるか判らないから手当たり次第でしたw(ほんと、時代の先を行き過ぎるセガw)

大手の動画DL販売サイトと提携してのブロードバンドTV化、周辺機器で地デジレコーダー化、ボタンを押せば先っぽがスポコン!って飛んでいきそうなコンソールでWii化と、PS3も急がしく動いてます。その結果がどうなるかは比較的に近い将来にわかることでしょう。

個人的には、ここまで大きくなったプレイステーション事業は消えてほしくないと思ってます。ゲーム業界的にもね。

cocの予測では3年です。この3年で結果が出せなければ…。

無論、その予測が外れることを祈ってますけどね。

それでは、今回はこのへんで。

また次回です。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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