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乙女日記 Vol.2119 エラそうに書いてみる


今日はちょっと音楽というか、邦楽についての話題です。

先日、知人が他愛も無い話の最中、急に「そういえばさ」っと改まったトーンで「なんで邦楽って世界でもっとヒットしないんだろうね」なんてことを言い出したので、ちょっと普通にその原因を教えて上げたら、やたらと驚いてたんです。

で、その知人曰く「案外そういうのに気付いてない人多いと思うよ」っと言ってたりしたので、その言葉は真に受けつつ、ちょっとエラそうなフリして書いちゃおうかなってのが今回の主旨ですw

ま、邦楽が世界でヒットしない、売れない理由というのは御存知の方は大勢居ると思うんですけど、敢えて知らない方へ向けて書きますと、その理由の全ては【日本語】にあるんです。

日本語って、音楽に非常に向いてません。

これは、母音と子音の関係で作られてる五十音という発音形態が音楽と合わないからなんです。

え?そんなことないよ。邦楽にも名曲は沢山あるよーって思われるかもしれませんが、確かに名"曲"は沢山存在します。しかし折角の名曲の上に日本語が乗る事で曲のポテンシャルを下げてしまってる曲が非常に多いです。

あと、逆転の発想というか、今では日本語が乗るという前提で作られてる曲が多いので、それを世界に向けて…っていうのは非常に厳しいのです。

なぜ、日本語が乗るとダメなのかっていうか、日本語というのは結局5つの音しかないのです。【あ、い、う、え、お】の5音です。

この5音だけで、音楽に声を乗せてるのが邦楽でして…、音色が少ないんですよね。

本来、ヴォーカルというのは、譜面の中で符割りされて付け加えられてる"歌詞"という音符を奏でる楽器なんです。なのに邦楽の場合、そのヴォーカルという楽器の音色が5音しかないわけですから、音色的に貧しいのです。

なので、日本語で歌うと、格好悪く聴こえてしまうんです。

特にこの問題で苦しんだのが、日本でロックが流行り出した頃の日本人ミュージシャンです。海外のロックに強い衝撃を受けて、自分たちで曲を作ってみるものの、それにヴォーカルが乗ったら、ただの歌謡曲や演歌に聴こえてしまうという…ね。

なので、歌い方を工夫して日本語の音を崩しまくって発音して歌う人達が増えました。しかし、崩したからといって、それだけで5音の縛りから簡単に抜けれるものではありません。

日本人として産まれ、日本語を公用語として育った人が簡単に5音以外の音を綺麗に出すことはできません。これが邦楽だけでなく、日本人ヴォーカリストが世界で成功できない一番大きな原因でもあります。

しかし、数は少ないですが、邦楽で、しかも日本人のヴォーカリストの声で世界を魅了した人も居ます。

その代表といえば、かなり昔の人なんで知らない人の方が多いと思いますが【坂本九】さんが歌った【上を向いて歩こう】です。

この曲は原曲のまま、アメリカでも大ヒットしました。

何故か?

それは聴いて貰えば良くわかります。

昔の楽曲ですから、古臭く感じるでしょうけど、よーく聴いてみてください。



ナチュラルに日本語では使わない音が発音されており、非常に英語チックな音色を声で奏でてらっしゃいます。日本語という"言葉"に馴染み過ぎてる耳では、どうしても固定概念が聴覚から聴こえる音を誤訳してしまいがちですが、日本語という意識を捨てて、音として彼の歌声を聞けば、その稀有な歌声に唸るはずです。

違う例を出すとしますと、ヒットした、世界で通用したという枠組みではないんですが、最近でも耳にされてるだろう楽曲を例えに出すと判り易いかなって思い、取り上げるのですが…、とりあえずお聴き下さい。





結構耳にする機会が多いと思います。

では、次にこの曲の歌詞付き動画を御覧下さい。




歌詞付を御覧になれば、良くわかると思うんですけど、日本語の発音を意図的に崩そうとして作られてる曲ですし、その崩し方かのセンスが光りってます。SHYさんの本来の曲調はR&Bやファンク系で、こういうキャピってるような曲が本来の人ではありません(故にコンセプトミュージックなわけです)

これを"普通"に唄の上手い人が歌うと、どう聴こえるかってのも確かめて頂きたいので、ソレ系のの動画を埋め込みます。



日本語の発音を綺麗に崩すのがどれほど難しいか判って頂けましたよね?

ただ、くれぐれも誤解無きよう願いたいのが、この歌い手さんを引き合いに出して、「ほら、この人下手でしょ?」ってことを言いたいわけじゃないんです。寧ろ上手いと思います。素人でここまで歌えたら表彰モノです。

しかし、プロの仕事としてSHYさんが日本語を崩して歌うというコンセプトで作られた曲の完成度と比べて、一般の方が歌った場合、いかに日本語を美しく華麗に崩すのが難しいかを理解して頂ければ…という主旨で埋め込みました。

更に誤解を恐れつつも続けますが、この歌い手さんが唄ってるのを聴くと、日本語歌詞の部分がハッキリと日本語として聴こえてしまってますよね。そこがプロと一般の人の差であって、繰り返しになりますが、そういうことをするのがいかに難しいか…っという点だけ理解して貰えれば幸いです。

しつこいですが、本当にこの歌い手さんをバカにしてはいませんよ。それだけは絶対に!です。

そんなフォローに更なる信憑性を持たせる為に、もう1つの音源を紹介しておきます。

このSHYさんのラッキーカラーという曲をアメリカ人アーティストの【keana】がカバーしました。

その動画…は用意出来ませんでしたが、配信サイトで視聴できますので、是非聴いてみてください。

http://listen.jp/store/album_825646783410.htm

ね。今度はSHYさんの方が…ね.

つまり、これが日本語を使って唄った場合の壁ってことなんです。SHYさんが幾ら日本語を崩して英語っぽく聴こえるように作っていても、それがホントの英語になった途端、雲泥の差になってしまいます。

この違いが、邦楽や日本人ヴォーカリストが世界で活躍するのが困難な理由というわけです。ハッキリ言っちゃえば、日本語で唄うと、格好悪く聴こえてしまうのです。

しかし、邦楽には邦楽としての良さもあります。音色として日本語が音楽に合わないというハンデを逆手に取って、音色の発展という方向性ではなく、世界でも屈指の細やかな表現描写の言葉が多く存在する日本語を言葉として活用し、歌詞の中に表現豊かな描写を入れ、文芸的な意味合いと価値を高めていったのです。

この方向性は、非常に日本的な方向性で、言うなれば今の邦楽は全て現代的な"能楽"なのです。

詩の世界観を重要視する傾向が強いのも、邦楽が"能楽"という歌劇化を果たしてる証明でもあるわけです。

そして、最期にあくまでも余談ですが"音痴"と呼ばれる人というのが存在しますが、正確な情報の出処は失念してしまったので申し訳ないんですが、何でも人口比率で音痴と呼ばれる音感障害のある方の発生率は日本がダントツで多いというのを昔何かで読み聞きしました。

現代音楽の音色と、日本語の発音数の差が大きい為に、音痴が発生し易い民族なんだとか。

ま、この余談については、詳細が全く思い出せないので、眉唾モノの話という程度で流しておいて下さいませ。


ってなわけで、知人の何気ない一言から、テキストネタが1本出来上がってゴキゲン様なcocさんなのでしたw

それでは今回はこれにて。




*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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