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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.87 愚か過ぎる復活劇


なんでも、パナソニックがソーシャルゲームやMMORPGなどに特化したオンラインゲーム(専用?)な携帯ゲーム機(?)を開発してるそうです。端末の名称は【ジャングル】

発売日は未定ですが、価格については一部のアナリストらの予測として400ドル前後と噂されています。

ディザーサイトが立ち上がってますので、その端末の実際の形などはそちらで確認ください。

http://welcometo.thejungle.com/


えぇ~~~っと、何から突っ込んでいきましょうか?w

まずは、端末コンセプトである【オンラインゲーム】に特化した携帯ゲーム機という部分からいきましょう。

QWERTYキーボードと2つのタッチパネルを装備してるインターフェースからは、ゲーム機よりもPCを連想させます。所謂スマートフォンとゲーム機を合わせたような中途半端さがヤケにチープさを演出してします。

で、オンラインに特化しているという部分ですが、基本的にソーシャルゲーム、ブラウザゲームなどを動かす事が主目的に据えられてるようです。

ですので、PCのオンラインゲームが全て動くなどとは考えないで下さいねw

昔風に言うと、あくまでポケットPCの類ですから、スペックなど期待できません。

にしても…、狙いが安直ですよねぇ。

確かに最近のソーシャルゲームの台頭は目覚ましいものがありますけど、iPhoneやwindowsケータイの登場で、そこそこ遊べるゲームが動かせる環境が整ったというのと、アイテム課金などのネットゲームらが乱立しすぎて、商法の方向転換を迫られた事情というのが良いタイミングで絡み合って生まれた一過性のムーブメントが現在のソーシャルゲームの実体です。

そして、現状において携帯ゲーム機市場はDSとPSPが市場を埋め尽くしてます。(海外ではPSPの市場は壊滅し、iPhoneの市場にとって変られていますが…)

で、ソーシャルゲームで遊ぶ場合、iPhoneが必ずしも適切な端末かと言えば、そうではないと感じてる人は多いはずです。ゲームを動かすためだけに設計されてる端末ではないですから、使い勝手という意味ではDSやPSPには敵いません。

だったら、それに適した端末を作ろうじゃないかと言う、隙間産業的な発想から生まれたのがジャングルのような気がします。

しかし…、ソーシャルゲームのラッシュなんて、すぐに下火になりますよ^^;

ブラウザゲームだって、どんどん動作要求値が上がってますから、パッケージ端末でそれらに対応していくのは難しいでしょう。

そして、ソーシャルゲームやブラウザゲームの大半はカジュアルゲームが主流です。無論、ハードコアなユーザーを集客できるコンテンツもありますが、まだまだ本格的なPCのオンラインゲームに肩を並べるまでには至ってません。

そういったコンテンツを動かすためだけに400ドルですか?

高すぎるでしょw

しかも、ソーシャルゲームの類には大きな弱点というか問題点があります。このソーシャルゲームの類を少しだけ時間を遡った言い回しに変えると【オンデマンドゲーム】【ストリーミングゲーム】ということになります。

発想の起点はゲームデータはサーバーに全てあり、プレイヤーはそのサーバーにログインするだけでゲームが遊べる。ゲームの動作に関する処理はサーバー側のコンピューターが全て行う為、ユーザーはハイスペックな端末を用意せずとも、安定した通信回線とゲームを操作するデバイスとモニターさえあればOKという仕組みが現在のソーシャルゲームの基礎になっています。

そのビジネスモデルから一部、つまり、完全なオンデマンドではなく、クライアントデータはユーザーの端末にインストールさせ、プレイに関してはサーバーを起点として管理するという従来のオンラインゲームの基礎構造を軸として、ブラウザと連動させてブログサービスやコミュニティサービスなどのSNSとして一括に運営をまとめるという形態に変更して動いてるのが現在のソーシャルゲームです。

これのどこが問題かというと、ソフトを動かすには運営側のサーバーが動いてなければならないのです。そのサービスが終了すれば、そのゲームでは遊べません。

しかし、それは従来のオンラインゲームでも同じ事ではあるのですが、肝心なのは、ジャングルがそういったソーシャルゲームやネットゲームの専用機だという点です。

PCでオンライン専用のゲームを買ったとします。家庭用ハードでも同様に買ったとします。それらの運営サービスが終了すれば遊べなくなりますが、パッケージソフトを買ってくれば、その端末で別のゲームはできます。

しかし、ジャングルはオンラインゲーム機ですから、運営が閉じてしまえば、何も出来ない端末になってしまいます^^;

無論、対応ゲームの運営サービスが一斉に終了することはないでしょうけど、果たして携帯ゲーム機でお気に入りのゲームが期限付きというのは(運営がいつかは終了するという意味)ユーザーにどう映るんでしょうね。

更に言うなら、既に時代遅れなジャンルと化しつつあるMMORPGなどがプレイできるというのを前面に押し出してるところも、時流が掴めてないように感じます…。

パナソニックは、一体どうしたというのでしょう…。

実体の無いまやかしだった【マルチメディア】という謳い文句で勝負に出た3DOは、悲惨なほどの失敗に終わり、M2も開発だけで頓挫し、どこからどうみても、SONYの1人勝ちの時代に任天堂にすり寄ってゲームキューブのDVDプレイヤー搭載版などというものを出して黙殺されますし…。

つくづくゲーム産業には向いてない企業です。

今回も見事なまでに的を外してるし…。

仮にゲーム業界に再度侵攻するならば、今の時流的に言うと、据え置き型で殴りこんだ方が、まだ可能性あるでしょうに…。

DSの圧倒的な攻勢が蔓延ってる最中、3DSの発表で更に大勢が固まりつつもあり、しかしiPhoneのソーシャルゲーム一派の台頭が目立つようになってきた為にPSP陣営は尚のことPSP2の投入時期の見極めに苦慮してるような状況に、400ドルのオンラインゲーム特化型の携帯ゲーム機など、誰が買うのか…。

別にネガキャンとかそういう主旨ではありませんよ。

あまりにも馬鹿げてるので、そのまんま「馬鹿げてるよ」っと書いてるまでですw

仮に完全なオンデマンドゲームの専用機として出るのであれば、注目も集めるでしょうけど、現在の携帯端末の回線で完全なオンデマンドゲームサービスなんてムリですしね…。

なにやってんだか…。

まぁ、レアハード集めが好きな方にはウケるでしょうw

ジャガーとかリンクスなどと一緒に並べられて飾られる運命ってやつですw


でも、一応最後に付け加えておきますけど、まだまだ詳細は不明な部分が多いですから、もしかしたら凄いハードなのかもしれません。なので全貌が見え次第、またここで取り上げて書くと思います。その時に今回書いた全文を撤回することになるかもしれませんです。

まぁ、その可能性は極めて低いでしょうけどねw

じゃ、そゆことで、今回はこれにて。また次回です。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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