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乙女の掌にPSP Vol.39

もう少し早い頻度で更新をしようと思ってたんですが、なかなかそうもいかず…、約一週間ぶりの御無沙汰となりました。

さて、世間様ではコードネーム【Next Generation Portable】として、兼ねてから噂になってたPSPと携帯電話を融合させたPS_Phoneの実体が発表されて話題になっていますね。

取り合えず、スペックで目を惹くのは、PSP3000よりも大きくなり、解像度の増したディスプレイと、右アナログスティックの追加、前面と後面に付けられたマルチタッチパネル、3G回線に対応といったあたりでしょうか。

ディスプレイに関してはPSP3000が4.3インチで解像度が480×272ピクセルなワイドスクリーンTFT液晶だったとに対し、NGPは5インチ(タッチスクリーン)で解像度が960×544と飛躍的にスペックが上がった上に有機ELディスプレイになったという点が驚きでしたね。

このディスプレイの飛躍的なスペックアップが象徴するように、NGPから受けた印象は肯定的にも否定的にも【オーバースペック】というものでした。

確かに素晴らしいスペックです。PSPの完成度を高めきった至高のモデルと言っても良いかもしれません。

しかし、それだけのスペックを積む事によって犠牲となる点が二つあります。

まず1つは価格。3G回線に対応ということで携帯電話キャリアとの契約が必要となってきます。

現時点は3G回線対応機、非対応機という実機でのモデルバリエーションは予定されておらず、それらの契約を任意とし、回線料金の問題は各キャリアと協議中とのことで詳細なことは判明していません。

恐らく各キャリアがNGP専用の料金プランを低価格で用意することになるのでしょうが、月額料金ということで幾らかの支払いが生じるのは避けられないでしょう。

それに加えてあれだけのスペックです。簡素的に表現すれば、簡易PS3の小型端末です。ですので価格は2万円台なんてことはないでしょう。恐らく安くて35000円。下手をすれば50000円とか(流石にその価格帯にはしてこないだろうけど)有り得そうです。

個人的に、NGPの取ったスペックアップの方向性は支持出来る派なんです。なんというかPSPに足りない物を素直に詰め込んでくれたという印象を受けましたし、そういう素直さに好感を持ちました。

ですが、高機能にするだけならバカでも出来ます。問題は携帯ゲーム機としての価格帯の中でどれだけスペックを絞ってまとめ上げていくかというところでしょう。

3G回線を積んでるから、これはゲーム機ではありません。モバイルです。PSシリーズからお送りする新しい端末のスタイルですと、あれこれ言葉を並べても、結局はゲーム機なんです。

PS3がそうであったようにねw

仮に本気でiPhome路線で売ろうというなら、明らかに商法的に血迷ってます。

iPhoneの使われ方で多いのが、携帯ゲーム機の様な使い方なんですが、それはDSじゃなく、PSPじゃない端末でキチンと作りこまれたゲームが遊べるから支持されたに過ぎません。

要は見た目、外見なんですよね。DSでもなくPSPでもなかったから持ち歩くのが恥かしくないと。なんかオシャレじゃん。格好良いじゃんという、全くもってくだらない理由がiPhoneの台数を延ばした要因の1つだったと思います。

特に一般層ではそういった、論理の中身がスカスカな理由が選択基準の大部分を占めてたりします。

ですので、モバイルです。とにかくモバイルなんです。iPhoneみたいなものなんです!!っと、どれだけ絶叫して売り歩こうが、【プレステの携帯機の新しいヤツ】としか認識されず、iPhoneと同列に見てもらえることは無いでしょう。

そして問題は更にあり、PSPの後継機を望んでた層がモバイル化を望んでいたか?という点と、携帯電話やモバイルといった物が、小型端末の主軸と捕らえてる一般層がPSPがモバイル化してくることを望んでいたかという問題です。

結論から言えばニッチな切り口を狙いつつも、双方のどちらにも望まれてないスタイルに仕上げてしまったという失敗が既に垣間見えてしまうというのが残念でなりません。

PS3の教訓が全く活かされてないということです。

よって、無駄に詰め込んだ機能が価格に災いをもたらし、その犠牲は携帯ゲーム機として認識されるであろうNGPにとっては大きなデメリットになるでしょう。

そして2つ目の犠牲は、何度も述べてるとおりのスペックですから、それらを実働させる上で必要になる電力。つまりバッテリーですね。その連続使用時間が確実に犠牲になっています。

3DSも使い方によっては、バッテリーの連続仕様が3時間程度で終わってしまうという話も漏れ聞こえてきてますが、それに相当するか、下手をすればそれを上回る電力食いな端末になるかもしれません。

この価格とバッテリー寿命という犠牲は携帯機としては致命的とも言えると思いますし、そこらへんをどういうふうに落とし込んでくるのか、それが今後のNGPの一番注目すべきところだとcocは考えてます。

ですが、先にも書いたように、個人的には非常に魅力的で"欲しい"と感じさせる端末です。

何よりもディスプレイの解像度が飛躍的に上がった点と、待望の右アナログスティックの搭載。これだけでPSPの後継機としては合格点を上げたい心境です(ゲーマー視点のみの評価として)

ただ、懸念は3G回線ですね。果たして携帯ゲーム機にそこまでの高速回線が必要なのかと…

WiFiで事は足りると思うんですよね。

まぁ、3G回線を搭載することによって、出先でWiFiスポットを探したり、携帯型WiFiルーターを持ち運んだりせず、すぐにネットに繋げてマルチプレイが遊べてたりできるという利点はありますけど、個人的には外出=仕事中というのが殆どなので、出先でマルチプレイというのはそれほど魅力に感じません。

しかし、その回線と契約しておかないと肝心のゲームプレイに支障が出たりするということになるなら(DLCなど)、ちょっと残念ですね。

そして、これも個人的な問題なんですが、NGPはPSPよりも更にPS3との親和性が高まる事は確実なので、PS3を所有してないcocとしては、NGPだけで果たしてどこまでの機能が活かせるのか…っという心配もあります。

まぁ、そんな心配をしたところで、NGPを購入することはできないでしょうけどね。

NGPどころか、3DSも無理でしょう。当然PS3を事前に用意しておくのも無理です。

なので、買えもしない端末に関して、あれこれと語ってきたわけですw

なんとも不毛な…っという思いと同時に慚愧の涙が頬を伝いそうですが、それはそれ、これはこれという割り切りで書いてみた次第です。

ちなみに世間では3DS叩きとNGP叩きを大いに楽しんで居られるようですが、双方、優秀な端末だと思いますです。方向性が随分違うので、比べるのは少々問題だと思いますけどね。

それでは今後のNGPの続報に期待しつつ、今回はこれにて終わりとします。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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