9月2日に行われた、ブラジルワールドカップ アジア三次予選の対北朝鮮戦ですが、どうもピリっとしない試合でしたね。
マスコミ的にはロスタイムでの得点で勝利したことで、劇的な感じで盛り上がってましたけど、あの試合内容では3-0くらいで勝っておかなきゃいけない試合でしょ。
チーム力はもとより、選手個人の技量も歴然とした差があり、完勝しなきゃいけない相手でした。
確かに北朝鮮はラインを引いて守備重視で戦ってはいたけど、引き具合としては、そんなにエグイものではなかったし、あれくらいの守備的チームなら崩せなきゃダメ。
本田、長友の不在、トップ下起用の柏木の不発などが問題点として挙げられてますが、個人的には日本の一番悪い癖が出た試合だったと思います。
その"悪い癖"はラストパスが一本多いというヤツです。
特に、守備的にラインを引いて戦うチームを相手したときに、その悪い癖はよく発動するんですが、今回も言うなればそのお家芸的な"余分なラストパス"が散見し、悪癖を克服できない日本の欠点を露呈しただけの試合でした。
特に後半20分を過ぎた辺りからが酷かった。北朝鮮は足が止まり、攻める力がなくなってしまっていたのにも関わらず、日本は得点を奪えなかった。
執拗なほどにパスを回し、相手を崩そうとしている。攻防のバランスが維持できての組織であるサッカーにおいて、守備しかできない状態に陥ってる北朝鮮は、既に崩れていたようなものです。
で、攻め手を失った北朝鮮は、引き分け狙いに完全にシフトし、自陣ゴールの最終ラインに多くの選手を吸収し、要塞化させた。
こうなった状態で、完全に崩そうとするのが日本の悪い癖。どのプレーがとかでなかう、全てのプレーでラストパスが一本多かったです。
なぜ、そこで打たないのかっと、結局どうしたいんだお前らはっと。後半の殆どの時間をイライラして見ることになりました。
あれだけ引かれて、守備の人数を増やされた場合。とにかくシュートを打たないと…。
GKが7~8人を統率しきるのは無理だし、シュートを打てば、弾かれたセカンドボールの奪い合いで、マークの受け渡しはゴチャゴチャになるから、とにかく打つべきなんです。
やたらとペナルティエリアに切りこもうとするし、切り込んだら切り込んだで、ペナルティエリア内でパスをする。まぁここまでならまだわかるんですが、そのパスを受けた選手が、更にパスをするんです。このパスが余計。不要。論外。
あの悪癖はなんなんだろうね。そして、あの悪癖って結構最近からなんですよね。
92~93年のオフトジャパン時代には見られなかった。94年ファルカン、94年~97年の加茂のころにもそういった悪癖は顕著に出てなかったですね。
うん、やはり97年の第一期岡田ジャパンの頃から出始めた癖ですね。
なので、この10年くらいで日本のサッカー選手に何かが起きた模様。あそこまでラストパスにこだわる原因ってなんなんでしょう?
民族性とか自己主張を控える世代的特徴とか言われることが多いけど、果たしてそういうことなんでしょうか?
そういうのって、ここ10年、つまり、1985年以降生まれの世代だけに顕著に表れてるんだから、もっと限定的な特異な事情が原因のような気もする。
そして、案外と根深い問題のような気もします。
試合中、しかもスコアレスドローで迎えた後半で、残り時間も刻々と無くなっていってる状況、しかもペナルティエリア内でパスを受けて、咄嗟の判断が更なるラストパスなんですから…
この悪癖を克服しない限り、アジアの強豪という位置は維持できても、欧州の壁は破れないでしょうね。
ま、とにかく今回の試合は、しょっぱい試合でした。なんとか勝ちは得られたけど、歴然と力に差がある格下相手にあんな試合をしているようでは、この先、つまり最終予選に入った頃、確実に痛い目にあいますよ。
今回は3次予選の組み合わせ的に、楽なグループに入ったけど、その楽さが仇にならなければよいのですが…。
それでは今回はこれにて。
*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。