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乙女のゲームキューブロード Vol.27 風のタクト#2





前回の同カテゴリのテキストで予告したとおり、今回は【風のタクト】の悪い点についてあれこれ好き勝手に書いてみました。





【悪い点】



★風というギミックにストレスを感じる



今作は表題のとおり、重要なギミックとして"風"が作品の中核を成してます。



ただ、風を利用した謎解きなどは、全く悪い点はありません。



問題はフィールドを進む際にいちいち風の向きを変更しなければいけないという点です。



時のオカリナでは草原、山野がフィールドでしたが、今作においてのフィールドは海です。



そして、時のオカリナでの徒歩以外でのフィールド移動は馬が用いられました。今作はその馬に相当するのが帆船です。



なんらかの動力機関を積んでる船ではなく、帆船なので、追い風を受けなければ進みません。ですので、ゲーム上ではタクト(指揮棒)を用いて、"風の唄"成るものを演奏し、風の向きを変更して帆船をコントロールしなければいけないのです。



しかし、これが面倒でして。船に乗って移動というは、それこそフィールドを移動する唯一の手段となっていますから、その利用頻度は高いなんてものじゃなく、頻繁に機会が訪れるのです。



その度に、タクトを振り、風向きを変更してから、船を出発させるという手順は、ゲーム開始直後ならまだしも、あちこちの海域を移動するようになってくる頃には、ただの苦痛にしか感じれなくなってきます。



しかも、タクトは装備しないと演奏できません。そして、GC版風のタクトでは、決定ボタンとキャンセルボタン以外の3つのボタンにアイテムを装備登録して遊ぶ仕様なんですが、船に乗る際には、帆(これもアイテム扱い)とタクトを装備しないと移動できないのです。



ですが、その二つのアイテムは基本的に船に乗ってるときにしか使いません(タクトは別の唄を演奏する機会、場面で必要ですが)。



なので、目的地に着くと、バトル用のアイテムに装備しなおさないといけないのです。で、その逆も然り。これを頻繁に強いられるわけですから、いい加減ウザったく感じるのです。



風のタクトという表題ですし、風というギミックを中核においた作品ですから、そこに帆船を登場させれば風向きをコントロールするという流れは自然ではあるのですけど、もう少しその点をブラッシュアップして欲しかったですね。





★スケールを広げた弊害



時のオカリナの箱庭感の完成度は素晴らしかったです。この箱庭感を今風に言い換えるなら、オープンワールドRPGの完成度って感じです。ただ、完成度は確かに素晴らしかったけど、少し手狭に感じてはいました。



しかし、風のタクトをプレイすると、やはり時のオカリナくらいの規模がゲームとして丁度良かったなっと感じるのです。風のタクトでは海洋を舞台にしたことで、フィールドが広いのです。かなり広い。なので、あっちこちを行き来する場合、移動時間がかなりのものになってしまいます。



ゼルダシリーズは攻略情報を見ながら遊んでしまっては、ただの凡作になってしまうのは今更説くことではありません。ですので攻略ルートを知らずに遊ぶのが前提の話しなんですが(製作側もそれを前提としてるはず)、そうなると、何度も同じ海域を行ったりきたりするケースが多発します。



すぐに到着する距離の移動ならまだしも、かなりの距離を往復しなければいけないケースも多く、折角、自由度が高く、冒険感は増してるのに、移動手段がその楽しみを阻害してしまってます。



例えば、新しいアイテムを手に入れて、以前見かけて上陸した島に用意されてた仕掛けをそのアイテムを使えばどうにかなるかなっと思い付いても、移動するのが億劫でなんか面倒くさくなってしまうのです。



先頃、WiiUでHD版としてリメイクされた【風のタクトHD版】では船の速度がアップしてるそうなんで、GC版よりかはマシみたいですけど…。





★加えてやり込み要素が序盤から多過ぎ



これは"良い点"として取り上げもしましたが、個人的には"悪い点"としても作用してしまってると感じます。



前述したように、スケールを広げ過ぎた為に、移動に際してかなりの時間を要することになることが、このやり込み要素への取り組み意欲を削いでしまってます。



このやり込み要素は大抵"何か"を集めなきゃいけないわけですが、あちこちの海域に移動して探検しようにも、船の乗り降りに生じる装備アイテム総とっかえ、風向きの変更、そして長時間を要する航海時間という3つの煩わしさが、折角刺激された探究心を萎えさせてしまうのです。



せめて、このやり込み要素に関しては、その種類をシナリオの進行具合で段階的に増えていけば良かったのにと感じます。序盤のとある島に到着後(時のオカリナで言う所のハイラル城下町のような存在?)一気に、あれこれとやり込み要素やシナリオ本編に直接関係ない謎説きがドサっと広げられるので、それらに取り組みたくても、海洋移動の煩わしさがストレスとなってしまうのです。





さて、2回に分けて書いてきた、プレイ途中での感想ですが、若干"悪い点"についての言及に力が入ってしまった印象ではあるのですが、しかし、だからそれイコールで"風のタクト"がつまらないというわけではありません。



あくまで個人的ではありますが、黄昏姫よりかは随分と面白いです。



海洋移動の煩わしさは確かに難点ではあるのですが、それ以外の部分では時のオカリナの匂いをプンプンさせてくれてますし、ゼルダ好き、時のオカリナ好きの人は確実に好きになる作品だと思います。



まだクリアしていませんし、進行具合もおそらく中盤に入ったばかりくらいだと思うので、この先のプレイで感じた印象で、今回書いてる感想に関しては何かしら覆る可能性もあります。



ですので、まだ数回は"風のタクト"に関してのテキストを書くことになるとは思ってます。



それでは今回はこれにて。

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