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乙女のアニメ独り言 Vol.98 一週間フレンズ





今期放送中のアニメ【一週間フレンズ】に感心してます。



今の時代、現代物の恋愛ストーリーって凄く作りにくいじゃないですか。



よく言われてる″携帯電話の存在がすれ違い要素を消滅させた″っていうのは真実で、加えて言うなら、言葉が言葉として簡単に伝えられる時代になったのが現代物の恋愛ストーリーを更に作りにくくしてるんですよね。



携帯電話があると言うことは、メールもあるわけですから、ピンポイントの時間にピンポイントの相手にピンポイントな言葉がピンポイントで伝えられるという大前提は恋愛物として非常に厄介だよね。



やっぱ、″会えない″、″言葉が言葉どおりに伝わらない″という、二つの局面からのすれ違いがあってこそ、見てる側を物語に引き込む力が生まれるわけで。



だから、そういう意味で恋愛物は作りづらくなってるわけだけど、一週間フレンズはそれを″一週間で記憶がリセットされてしまう″という、ちょっとトンデモ感溢れる設定で乗り越えてる。



確かにそんなトンデモ設定に最初は色物感を感じはしたんだけど、回を重ねて見続けていると、そのトンデモ設定の巧妙さに感心させられてます。



片方の記憶がリセットされちゃうことで、双方が感じてる関係性の積み重ね度数が全然違うから、一方はまっさらな気持ちで、一方は積み重ねた日々の中から出てくる言葉というのは、例え発音として放たれた言葉の音が同じであっても、その言葉の意味は全然違ってくるから、言葉が通じないんだよね。



この通じないもどかしさってのを、そのトンデモ設定を利用して巧妙に織り交ぜててくる展開には正直上手いなって感じました。



しかも、その積み重ね度数の違いにもどかしさを感じさせた上で、その度数が徐々に近づいていくという手法は、上手さを越えてズルいと思いますw



この先の展開は、原作コミックを未読の身としても予想は容易いのですけど(記憶障害の原因になった奴は身直にいるアイツだった的な感じからのごにょごにょ何でしょう?w)、それでも設定の使い方の上手さが手伝って見続けちゃいますね。



設定だけ切り取ってみれば、不思議系ギャグかよ!って言いたくもなりますが、そんな下世話なツッコミをするのがバカらしくなるくらい上手く作ってる。



単にアイデアの勝利という表現で括られるものじゃないと思います。



たしかにアイデアの勝利ではあるんだけど、そのアイデアで″恋愛物は作りにくい″という状況というか、障害を取り払っただけで終わらず、それが恋愛物の根幹的な要素を強調するところまで繋げてるのが凄いと思うんです。



見てない人は是非じっくり腰を据えて見て欲しい作品ですね。絵柄が可愛らしいので、そういう意味で人目は引きやすいけど、見るべきはそういうところじゃなく、トンデモ設定の使い方とその相乗効果を確かめて欲しいっと強く思える作品です。

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