記事一覧

乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方 Vol.89 浸透させられるか?



昨日更新したテキストでドラクエ10云々、WiiU云々などを書いてて、そのテキストをアップした後に、ドラクエ10の3DS版発売を知って、更に悶絶したcocさんです。こんばんわ。



まぁ、docomoのDゲームへのクラウド版提供が実現してから、3DSへの展開は確定だろうと皆が思っていたでしょうし、驚きはありませんでしたけど、Dゲーム版への提供から結構間が空いてたので、色々と大人の事情が絡んで企画が通らずに頓挫したものと思いこんでいたので、そういう意味では少々意外でもありました。



復帰を考え初めてる身としては、新規さんが増えるというのはゲームに活気が出ますから、喜ばしいことです。



そして、この3DSへの提供ってドラクエ10そのものより、広く一般にクラウドゲームを紹介、そして体験してもらう絶好の機会になるんじゃないかなっと思ったりもします。



そういったわけで、そこをキッカケに久しぶりにコラムっぽいのを書いてみようと思い立ったのでした。





さて、そのクラウドって、結構認知された仕組みだと思ってましたけど、今回のドラクエ10の3DSへの提供に関して、移植だと思いこんでる人の書き込みがあちこちで散見してるのを見て、認知度はまだまだ低いんだなぁっと痛感しました。



クラウドゲームというのを簡単に説明すると、ゲームデータ、つまりクライアントデータ(もっと浸透性の高い表現にするとソフトのデータですね)は全部サーバー側にあり、サーバー側でゲームを起動して動かして遊ぶ方式です。



プレイヤーとゲームサーバー間でやりとりされる信号は、プレイヤーがコントローラーなどのデバイスで入力した信号、つまりどのボタンを押したか等の操作信号を送り、サーバー側はその信号を受け取った後、操作信号をゲームデータに送り、演算処理された結果を表示して、プレイヤーの端末に結果を送り返すという仕組みです。



つまり、据え置き型ゲーム機で遊んでる場合、コントローラの入力信号をゲームハードが受け取って、その結果をゲームハードが演算処理してモニターに表示しますよね。そのゲームハード部分をまるごとクラウドネットワークで構築して遊んでもらうというのがクラウドゲームです。



ゲームのストリーム配信とも言えます。



個人的にゲームのクラウド化というのは、100%の割合で歓迎は出来ない派ではあるんです。いわゆるオフゲーをクラウド配信で遊ぶというのは、ゲームが手元に残らないので好きになれません。そのクラウドサービスが終了すれば遊べなくなりますしね。



ただ、そうはいっても、ハードスペックに高い水準を必要としなくなるというクラウドのメリットの部分が今後活かされる状況になれば、受け入れるしかないでしょう。



そんな状況とはいったいどういった状況かと言うと、ゲームハードの進化とソフトウェアの進化速度の歩調が大きくズレ始め、ソフトを作る側の要求にハードメーカが答えられなくなった状況ですね。無理にハードメーカーがハイスペックな新型を投入したところで、その価格はユーザーに歓迎されるとは限りません。



仮に今この時点でPS4では動作しないような凄まじいゲームをどこかが開発し、それをプレイステーションブランドの端末で出したいということになり、SCEが急遽PS5を開発し、販売したとしましょう。価格は98000円くらいでw



馬鹿げた話ですけど、仮の話なので付いてきてくださいねw



で、そんなハードは売れませんよね。そしたら、そのスペックで動く凄いゲームを開発したパブリッシャーもソフトが売れなくて困ります。



けれど、これがクラウドゲームならば、そんなバカ高いハードをユーザーが買わなくても、その凄いゲームとやらを遊べるのです



ゲーム映像を受信し、それをモニターに映し出せる最低限の機能と(表示可能な解像度等の必要な性能が備わってれば)、ゲームを操作するコントローラデバイスだけあれば良いのです。



肝心のその凄いゲームとやらは、その凄さを表現する上で必要なアーキテクチャごと開発し、サーバー上で展開させればよいわけです。



そういうスタイルがスタンダードになれば、ユーザー側としては決して安くはないゲームハードの買い換えなどに関してのコストパフォーマンスが格段にあがり、ソフト側への投資増加に繋げやすくなります。



ただ、今までのビデオゲーム業界は、ハードメーカーがトップに君臨し、その発言力も絶対的なものでしたので、ハードに併せてゲームを作るというのが当たり前でしたから、クラウドゲームというのは、その可能性を提示してからもなかなか発展の機会はありませんでした



しかし、少しづつ状況は変わりつつあります。ハードメーカーの絶対君主制度は近年大きく揺らぎはじめてます。



なにせ、据え置きゲームハードが売れないんですから、パブリッシャーは儲けられないのです



売れないハードを売る為の戦略も、パブリッシャー側からすれば頭を抱えたくなるようなお粗末な展開が多く、だからといってマルチプラットフォーム戦略でソフトを開発すれば、それだけ制作コストは増えていく、かといって一つにハードに絞るのは怖い上に、君主気質が抜けてないハードメーカーからの圧力や取引やらで、したくもないビジネスゲームに巻き込まれていく。



正直、辟易してるよってのが多くのパブリッシャーの本音ではないでしょうか。



かといって、ここから急激にクラウドゲームが大きく波及していくのかと言えば、そう簡単に変化はしないと言わざるおえません。



ただ、そうなる可能性、要素、火種といったものは確実にこの業界の中でくすぶってます。



しかし、話をオンラインゲームに限定すれば、クラウド化に関しては非常に有意義だと思います。



オンラインゲームは、そもそもサービスが終了すればプレイ出来なくなるものが殆どですから、クラウド化でゲームが手元に残らないというフラストレーションとは無縁です。



しかも、オンラインゲームをクラウドで提供すれば、煩わしいVerUPの際のアップデートや、不具合修正のパッチデータなどをDLする必要がなくなります。



ゲームデータはすべてクラウド上にあるわけですから、クラウド側がアップデートすれば良いだけです。



PCのオンラインゲームでは、アップデートでとんでもない不具合を出して大問題になるなんてことも珍しくありませんけど、そういう惨事もクラウド化してしまえば完全に防げます。



暫くプレイをお休みしてたオンラインゲームを遊ぼうとして接続したら、アップデートの展開で数時間何もできない…、なんていうオンライゲームあるあるともサヨナラできます。



しかも、ドラクエ10のように容易に複数のプラットフォームへ提供可能ですから、オンラインゲームの収入源であるユーザー獲得の機会もどんどん拡大していけます。



そういった意味でクラウドとオンラインゲームというのは非常に相性が良いので、まずはこの分野でクラウドゲームというのを広く浸透させていって、来るべき時、つまりハードメーカーとソフトメーカーの立場が完全に逆転するその時の地均しを積極的にやっていくべき頃合いになったのかなっと、ドラクエ10の3DS版提供の報を聞いて感じた次第です。



ただ、こうなったらいっそ、VitaにPS3やPS4、Xbox陣営にも提供の手を伸ばして欲しいですね。クラウドゲームという物の宣伝の為にも。(ボタンの振り分けに工夫が必要だけど、そこをなんとかすればPSPでも提供可能です)



無論それをやるには技術面の問題は全くありませんが、偉そうにしてたい人や、声が大きい人、白黒付けずにはいられない人、上か下か右か左かといつもうるさい人らの立場、面子、意地みたいなのが邪魔して早々簡単にはいかないでしょうけどね。



ひとまず、このドラクエ10の3DS版というのは数年後にゲーム業界を振り返った際には、重要な転換期の一つとして捉えられるとcocは確信しています。



なんなら、これを下地にドラクエ11は最初からクラウドゲームとして提供とかしたりしてね。そしたら完全な海賊版対策もできちゃいますしね。



オフゲーのクラウド化は海賊版対策としても、とても効果的ですから、流れさえ作れてしまえば一気にそっち側に業界がシフトしていく可能性は十分あると思います。



そうなると困るのはハードメーカーですから、このまま黙って変化を傍観してられません。クラウド化だけでは提供出来ない、このハードでしか提供出来ない遊びという方向性の模索で新しいハードの開発にも力が入るでしょう。



その最終形態が何年も前からcocが熱望してる網膜センサー、荷重移動センサー搭載のヘッドマウントディスプレイ型ゲームデバイスの登場となり、ビデオゲームは真の意味でヴァーチャルリアリティを実現し、ビデオアトラクションとして進化するわけです(勿論、この段落はcocの妄想ですw)



さて、落としたい所に綺麗に(?)落とせたところで、ふと思ったんですけど、ハードメーカーの立場が揺るぎ始めてきた昨今、早々にその立場から降りたのがセガなわけです。



しかも13年も前に。さすがセガだね。常に時代の先を行ってますw



ってか、ドリキャスの製造中止及び、セガのハード事業撤退から13年って…ガクブル過ぎる…。



あれから13年だと? いやいやいやいやいや、それは無いわw 無い無い。計算間違ってるから。13年なんて経ってるわけないじゃん。今の中学一年生らが生まれた時にはすでにドリキャスが生産されてないなんて、そんなわけあるわけないじゃん。



あるわけないからぁぁぁぁ!!





…うむ。今日はコラムでしたね。最後の方でつい雑談に興じてしまい、ありもしないことを事実のように書いてしまいました。すいません。ありもしないことですから信じないでくださいね。13年なんて経ってませんから。そんなこと余所で言ったら変な人扱いされます。気をつけて下さいね



では、今回はこれにて。









追記:あるわけないからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(T^T)


トラックバック一覧

コメント一覧