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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方 Vol.93 とにかく違和感しか感じない。



PS4が次期システムウェアソフトのアップデートで(Ver2.0においての実装を予定)、シェアプレイという機能を実装することが公になりました。



この【シェアプレイ】というのは、ネットワークに接続したPS4から別のPS4にゲームを配信出来るという機能で、つまりPS4を持ってるA君が、同じくPS4を持ってるB君に「このゲーム、面白いよ。ちょっとやってみてよ」とゲームを配信し、B君はそのゲームをネットワークを介して遊ぶことが出来るというものです。



概要だけさらっと聞くと、おぉ~っ!って声が上がりそうではあるんですが、この機能、果たして…意味あるんだろうかって思ってしまうcocさんだったりします。



このシェアプレイの最大の目的は、ユーザー間でソフトのプロモーション活動が自然発生的に起きるのを期待してるわけなんですが、確かに狙いは悪くない。悪くはないんですが、気にかかる点がいくつか…。



まず、これはユーザーがクラウドゲームを配信するという大前提が念頭にあるわけです。「これ、面白いよ」とクラウド配信する側は果たして配信中どうなるんでしょうか?



クラウド配信がバックグラウンドで行えないなら、配信する側の人のPS4は配信中、そのクラウド配信に占有されてしまいます。



更に一度に配信出来るクライアントの数も分かっていませんし、サービス開始後のデベロッパーの動きも不透明です。



ローカルプレイの全てが配信でき、ローカルプレイでのマルチモードも配信可能なそうなんで、いわゆるネット対戦などのモードはシェアプレイでは遊べないだけで、他のローカル要素は制限なく遊べてしまいます。



この制限なしという所をデベロッパーがどう折り合いを付けてくるかが重要でしょうね。



配信がバックグラウンド処理で出来ないというなら、その”出来ない”が実質的な制限になるので、デベロッパーはソフト自体にシェアプレイ制限機能を付けない可能性もあります。



実質的な制限というのは、先にも書いたように配信元のユーザーが配信中はそれ以外のことにPS4を使えないわけですので、長々とRPGを配信し続けるのは現実的に厳しいであろうという意味です。



仮にバックグラウンド処理で配信が出来てしまうなら、ゲーム側に配信可能範囲という制限をデベロッパーは付けてくるでしょう。いわゆるステージ1までとか。時間制限とかね。



そういったことを考えていくと、現状の体験版配信というスタイルと大差ないことになってしまうんじゃないかなっと思うんです。そういう意味で、冒頭に書いた”意味あるのかな?”に繋がります。



あと、そもそもの疑問というか本質的に物凄く違和感を感じることがあるんですよ。



現状のPS4でも可能なゲームプレイ映像のストリーム配信然り、今回発表されたシェアプレイ然り…、ゲーマーって配信したいの?



配信したいから、ビデオゲームのハードを買って、ソフトを買うの?



あくまで、cocさんの個人的な考えという大前提で書かせてもらうと、各動画サイトにアップされてるゲーム実況動画ですら、正直意味わかんないんだよね。



無論、遊んでみたいゲームの実際のプレイの様子を確認するために見たり、自分が行き詰まってる箇所の攻略情報を得るために見たりということもあるんだろうけど、cocさんはそれすら疑問を感じるのです。



気になってるゲームの情報は公式サイトで見たり、ゲーム総合情報サイトの職業ライターの紹介、解説などをチェックすれば十分だし、攻略情報にしても、必要なら攻略wiki探したほうが、早いと思うんだよね。



そして、そもそもcocさんってゲーマーなんですよ。ゲーム大好き。ゲームで”遊ぶ”のが好き。



だから、他人がプレイしてる映像見てる時間あるなら、その時間をプレイに割きたいと脊髄反射の速度で思っちゃうんです。



そういうcocさんの観点からPS4の”配信”を軸にした機能強化というのは、全く持って無意味というか、ゴミ?みたいに思えて仕方ないんです



配信できるから、あのハード欲しいぃぃぃ!なんて10万年経っても思わないとおもうw



繰り返しになりますが、これはあくまでcocさんの個人的なゲームとの接し方の話です。正解、不正解を導く意図は有りませんので、あしからず。



さて、話をシェアプレイに戻します。



最初に書いたようにSCEはこのシェアプレイでソフトのプロモーションが強化され、一つのタイトルが一人でも多くの人にその魅力が伝わる新しい窓口になることを期待してるようですが、そもそもその考えが妄想じみてるように感じるのです。



配信側が無制限にクライアントからの接続を受け入れられるとした場合、それは現状のPSNで配信してる体験版と、どれほど効果に差があるのでしょう?



デベロッパーがシェアプレイに制限を付けて、プレイ可能領域が限定されてしまったら、体験版とどれほどの違いがあるのでしょう?



そして、そもそも、ソレをしたいと思うユーザーがどの程度の割合で存在するのかというリアルな予測は出来てるのでしょうか?



確かに知り合い同士で(PS4をお互い所有してる前提ですが)、最近これ買ったんだ。ちょっとやってみる?的なクラウド配信はあるでしょうけど、そのような局所的事象にマクロ的な効果を期待するのって、技術先行型のSCEが取って付けた様な御為ごかしにしか聞こえないんですよね。



つまり、”こういう楽しみを提供したい”で開発されたのでなく、クラウド技術をコンシューマハードで活用させてみたいという技術屋のエゴ発信で、出来上がってから、それじゃこれでこういうことしてほしいねって後付けされたような違和感を感じるのです。


違う言い方するなら、今ソレか?ソレが優先すべきことか?もっと他にゲーム機としてやることあるっしょって思っちゃうわけですよ。



あとね、もっと根本的な事を言わせてもらうと、現状のストリーム配信にせよ、今後のシェアプレイでのクラウド配信にしろ、それがあるからって、肝心のゲームが面白くなる可能性に全く繋がってない機能なんですよ。



それで良いのか?良いわけ無いだろうってcocは強く感じてるのです。世間の感じ方はどうも違うみたいですけどね…。



日本ではXbox陣営に期待出来ない現状からして、SCEにはもっとシャキっとして欲しいのですよ。故に今回は若干ヒートアップして書いてみた次第なのです。



それでは今回はこれにて。

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