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乙女のモンスターハンター探険記Vol.150



さて、今回は一先ず発売から約二ヶ月が経過し、その期間で遊びこんだ上での総括をしてみたいと思います。



尚、この総括はMH4を遊ばず、MH4Gから遊び出した人の目線で書かれています。ですので、評価対象はMH4Gで拡張された部分でなく、MH4~MH4Gの全体を1つの作品として捉え書いてます。



そして、ここから書かれる内容は【乙女のモンスターハンター探険記Vol.142】辺りから書き進めてる、MH4Gの各要素の解説や評価をベースにした総括ですので、各要素の細かい記述は過去ログを参照下さい。



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ではでは、総括を始めるとしまする。





まずMH4Gを遊んだcocの率直な感想は"今までのモンハンより、アクションゲームとして一段階上に登ったモンハン"っというものでした。



それに起因するのは、MH4から導入された【モンスターへの乗り攻撃】と【立体フィールド】です。この乗り攻撃と言うのは、言葉から想像される印象以上にゲームの新たなエッセンスとして大きな影響を与えてます。この乗り攻撃を楽しんで貰う為に、フィールドは今までのモンハンの平面フィールドから上下の起伏に富んだ立体的な構造のフィールドに変化しました。



乗り攻撃は、狩りを有利に運ぶ上で非常に効果の高い結果を生み出します。モンスターの背中に乗るには、MH4から導入された、乗り耐性値というのを削らないとなりません。これは従来のモンハンから存在する麻痺耐性や毒耐性のように、モンスターがそれらの状態異常に陥るまでの耐性値と仕組みは同じで、ジャンプ攻撃をヒットさせることで、乗り耐性値を削ることが出来ます。



そして、その耐性値がゼロになった時や、繰り出したジャンプ攻撃で耐性値をゼロに出来る場合にモンスターの背中に張り付く、つまり乗り攻撃状態に突入できます。そこから乗り攻撃モードに切り替わり、画面に表示される乗りゲージを攻撃ボタン連打などで削っていき、ゲージをMAXまで持っていければモンスターはノックダウン状態となります。こうすることで、部位破壊を狙いにくい相手からも、武器によっての有利不利関係なく、破壊、切断等が容易に狙いやすくなりました。



さらにダウン時間は落とし穴に落とした時に相当する時間の間、倒れてくれてますので、それだけでもかなり有益に作用します。



そして、この乗り攻撃には、良い意味での副作用もありまして、マルチプレイでは誰かが乗り攻撃を仕掛け、背中に張り付いた場合、他のプレイヤーはモンスターに攻撃してはいけないんです。乗りゲージの仕組みは二重ゲージとなってまして、モンスターのゲージとプレイヤーのゲージがあり、モンスターのゲージより先にプレイヤーのゲージをMAXまで持っていけばダウンを奪えるのですが、その逆になってしまうと、背中に張り付いていたプレイヤーは跳ね飛ばされ、ダウンも奪えず、モンスターの乗り耐性値は上昇してしまいます。(麻痺の二発目がなかなか入らなくなるのと同じ仕組みです)



で、モンスターのゲージにはアイコンが表示されており、そのアイコンの色は赤、オレンジ、緑の3色があり、緑以外の時に乗り攻撃を加えると、モンスターのゲージの上昇速度が格段に上がってしまい、プレイヤーより先にMAXまでいってしまい、乗り攻撃からのダウンは奪えず失敗に終わってしまうのです。



そして、これはモンスターの背中に張り付いたプレイヤーだけでなく、周囲のプレイヤーからの攻撃もそれに加味されるのです。ですから、マルチプレイ時に誰かが背中に張り付けば、他のプレイヤーは攻撃してはいけません。こう書くとデメリットのように感じるかもしれませんが、逆に言えば、誰かが背中に張り付いた時は、他のプレイヤーに攻撃してくることはありませんので、安全に回復役や肉、砥石などを使えるのです。場合によっては劣勢の状況を打破するキッカケとしても作用します。



つまり、モンスターへの乗り攻撃というのは、マルチプレイにおいて他のプレイヤーの安全を確保し、体勢を整える時間を提供出来ると同時に、乗り攻撃を成功させれば、ダウンを奪えますので、体勢を整えたプレイヤー全員で一気に一斉攻撃で相手モンスターのHPを大幅に削ることが出来るのです。



そんな美味しい乗り攻撃をする為には、立体となったフィールドを駆使しなければいけません。如何に段差の下にモンスターを誘導するか、如何に乗り攻撃のチャンスを生かしてジャンプ攻撃を繰り出せるかといった、今までのモンハンには無かった意図を加味した立ち回りというものが加わったことで、今までのモンハンとは違う、一段階上のアクションゲーム然とした面白さがプラスされたのです。



こういった実際の狩りでの変化以外にもMH4Gのゲームバランスの妙が光る箇所があります。



それは、武器、防具の作成のハードル調整です。モンハンがヒット作と言う看板を掲げる原動力となった言っても差支えない、PSPでリリースされていたMHPシリーズでは、全てにおいて難易度が緩くなっており、それは武器、防具の作成も同様で、要求される素材の入手できるタイミング、そして入手確率も緩く設定されていました。



WiiでリリースされたMH3-tri-で、そのバランスは据え置き型ベースのバランスに戻されたとはいえ、それでもPシリーズの後遺症といった感じで、要求される素材の入手タイミングが甘い傾向にありました。



この素材の入手タイミングとは、武器を強化していくと、段階ごとに新たな素材を要求されるのですが、その強化前の武器で余裕で倒せちゃう楽な相手の素材が次の強化素材に入ってたりすると、かなり早い段階で武器を強くしていけるわけです。



強い武器を早い段階で入手して、強敵を楽に倒したところで、それはモンハンとして面白いのか?モンハンが本来持つべきゲームバランスから逸脱してないか?っという点で、やや首を捻らずにはいられないと言う感じのものが近年続いてました(Fはコンセプトが根本的に違うのでここでの例からは省きます)



しかし、そこらへんのバランスがMH4Gでは再調整され、武器の強化は中々進みません。この段階の武器ではつらいかなって思い始める頃(クエストランクの進行過程において)になっても、強化素材がまだ出現しなかったりするのです。



無論、これはモンハンの基本コンセプトに立ち返ったのと同時に、狩りにおいて乗り攻撃と言う、プレイヤー側にとって圧倒的に有利な状況を作れるようになったことで、武具の性能のみに偏重していたゲームバランスを、立体フィールドを活用して多くのチャンスを生み出して遊んで下さいねっという意図が含まれてるのでしょう。



これによって、強化の進行具合が緩やかになり、武具の強化を目的とした素材集めも長く楽しめるようになってます。



そして、そんな乗り攻撃と、新たなバランスで調整された武具を駆使し闘う相手、つまりモンスターですが、そのモンスターの中でも旧シリーズからの参戦個体は、その動きに大幅に変更が加えられています。新モーションの追加は勿論のこと、旧モーションもかなり多くリファインされてます。基本的に旧モンスターの旧モーションは、隙を減らす方向で統一されており、今までの経験則では通じなくなってる個体も少なくありません。



その甲斐あって、旧シリーズから遊びこんでる人でも、かなり新鮮味を感じられますし、場合によってイラつくくらいモーションの隙が無くなってたりして手ごわくなっています。



そういった新モーションも十分楽しんで欲しいという意図があるのかどうかはわかりませんが、今までのシリーズでは、やってもやらなくてもあまり大きな影響は無かった通称村クエ。つまりオフラインモードのクエストの存在意義が大きく変化してます。



今作ではPシリーズでおなじみの、消耗品素材などを補充できる【農場】がなくなり、それに相当する施設が、農場の機能を分散させる形で設置されています。それらの施設の設備拡張に村クエが多く紐付けされており、それらの施設を拡張しなければ、消耗品を調合製作する素材の入手機会が格段に減り、オンラインでの狩りにおいて、物資的に苦しくなってしまいます。



更に、村クエを進めなければ出現しないモンスターも幾つか用意され(オンライン集会所のクエでは登場しないモンスター)、それらの素材はゲーム進行上、重用される可能性の高いスキルを有する防具の素材になっていたり、活用度の高いスキルの装飾品生産に必要になってたりと、とにかく村クエを進めないと損ですよっという作りになっています。



そして、そんな紐付きが増えたことを苦痛に思わせない為に、ただただ素材入手の為でなく、【探索】【ギルドクエスト】といった今作から登場してる新たなクエストコンテンツの拡張にも村クエが関与しており、ゲームをやりこむ、楽しむなら、自然と村クエに足が向かうように作られているのです。



ですので、オンライン集会所、旅団クエスト(村クエ)、探索、ギルドクエスト、闘技場、DLクエストの6つをクエストコンテンツとして用意し、探索クリアで発生するギルドクエスト集め、ギルドクエストのレベル上げ、消耗品補充が出来る竜人商人との取引結果を上げるためのアイテム集め、今作から導入されたお守り合成に必要な素材集め、そして恒例のお守り掘りに、高レベルのギルドクエストで入手できる発掘武器、防具の収集など、従来のモンハンと比べて遊べる要素が格段に増え、ただ集会所でクエを回すだけのゲームから脱却し始めた、いうなれば【モンスターハンター・ルネッサンス】と言えるのが、このMH4及びMH4Gです。



それらの要素を総合的に評価し、点数を付けるなら、100点満点中、89点を付けれるくらいの良作だとcocは感じてます。



ちなみに過去シリーズにも点数評価をするとしますと、初作/69点。dos/70点、P/65点、P2及びP2G/75点、tri/80点、P3/79点といった感じです(MHG、リメイクMHG、triGは未プレイの為除外、Fはアップデートで大幅に変化してるので評価対象外)



P3までは、安定した面白さは維持してはいるものの、正直マンネリ感が漂いまくってましたが、このMH4及びMH4Gでそれを払しょくして見せたのは非常に評価できますし、恐らく今後リリースされるMH5にこの変化がどう活かされるか楽しみでなりません。



さて、今回は総括をテーマに書いてきましたが、次回は裏総括として、MH4Gのここが残念だ。ダメダメだという趣旨のテキストを書く予定です。



それでは一先ず今回はこれにて。また次回です。

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