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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方 Vol.103 何も発表されてないのと同じなんですけどね。



任天堂とMobageを展開するディー・エヌ・エー(DeNA)が3月17 日に業務・資本提携を発表した席で、任天堂は全く新しいコンセプトのゲーム専用機プラットフォームとして、開発コードネーム【NX】の存在を公表。詳細に関しては2016に発表するとアナウンスを行いました。



当然のことながら話題沸騰となってるわけですが、まず重要な点として認識しなければいけないのは、今回のNXの発表に関しては”当たり前”の事を当たり前に話しただけであるという点です



ネットのあちこちでは、据え置き機か?携帯機か?3DSを捨てるのか?WiiUはどうするんだ?と騒いでますが、いつ発売するかも決まってないのに、現行ハードの行く末を危惧するのは慌てすぎです。



次世代機というのは、現行機が発売される時点で開発はスタートしているもので、言うなれば常に現行機の発売と並行して次世代機の開発が行われてきたのです。



ですから、NXなる次世代機の開発をしているという発表は当たり前のことであり、何も驚く要素はありません。更に言うなら”全く新しいコンセプトのゲーム専用機プラットフォームとして”という文言も当たり前です。



新規の事業計画の一端を紹介するにあたって、”従来と同様のコンセプトで”などと謳う会社がどこにありますか?w



ですので、今回の発表は、内容的には何も発表していないのと同じです。



しかし、重要な点として、DeNAとの業務提携の席でこのようなコメントを出したというところに真の意図があります。



簡単に言えば、モバゲーと組むことにしたけど、別に任天堂が家庭用ゲーム事業に見切りをつけて、スマフォアプリに全力を注いでいくというわけじゃないですよ。ちゃんと次世代機も開発してますから安心して下さいねっというメッセージなわけです。



任天堂としてもモバゲーと組むという事業計画が、ユーザーから見ればネガティブな印象を持たれるであろうという現実的な問題に対して想定はしていたでしょうから、そうじゃないんだ。大丈夫、任天堂は任天堂だからという明確な意志表示をどうしても折り込みたかったのでしょう。



なので、NXについては、現段階でどうこう論じるべき存在ではありません。それこそ発売するかも決まってない開発中の1つのプロジェクトでしかありませんしね。



更に言うなら、少なくてもあと2~3のハードウェア絡みの開発プロジェクトは動いてるはずなので、何がどう転ぶか全くもって解らない状態と言ってよいでしょう。



個人的には、いよいよ任天堂のVR機か?っと期待を寄せたくもあるのですが、世界的にみても、まだテクノロジーの進捗具合は浅いですし、任天堂が早々にそこに足を踏み入れるとは考えにくいです。



PS4の周辺機器として先頃VR機が発表されましたが、周辺機器である以上、PS4以上の販売台数は見込めないわけですし、PS4を所有してない者がそれを楽しもうとするとPS4+周辺機器の合計金額を初期投資しなければならず、やはりハードルは高いと言わざる負えないでしょう。



周辺機器としてでなく、完全な独立ハードウェアとして、どこかが発売するにしても、まずはPS4のソレの苦戦ぶりを見てからでしょうね。



そういった意味でNXがVR機である可能性は低いうえに、実際に発売するとしても来年に詳細発表ということは、早くて2016年後半ということになりますが、そのNXとやらのソフトを開発する機材やソフトウェアの存在が全くどこからも漏れてこないことから、発売に関しては、限りなく白紙に近い状態なのではないかと思います。



そういった不透明な情報を出すことに関して任天堂は良しとしない会社でしたけど、牽制としてそういった趣旨の情報を出しておかないと、ポチポチゲーム屋に鞍替えするものと誤解され兼ねなかったから、致し方なくといった感じなのではないかと思うのです。



寧ろ、問題は、任天堂がそういう情報の牽制をしないとならない状況に身を置かれてしまってるというのが問題であり、任天堂の苦しい現実を物語ってます。



煩い株主の意向は無視出来ない、故に任天堂としての本意ではない事業をしなければいけないないという、何とも苦しく苦々しい決断に対しての精一杯の抵抗、それがNX開発事実の公表だったのではないかとcocは感じています。



無論、真意の程は計り知れませんけどね。あくまでコレはcocがそう感じたという話しです。



何にせよ。来年まで詳細は解らないわけですし、まだ4月にもなってない今からあれこれ騒いでも何も見えてきません。大人しく詳細を待つしかないのです。(本当に詳細があるとは限りませんけどね)



それでは、今回はこれにて。また次回です。

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