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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.46 ドラクエの存在意義と今後の展望 後編

更に言うと、ドラクエ本家から波及した作品等は
前衛的とは真逆の二番煎じ物でした・・・。

そう『ドラクエモンスターズ』です。

このDQMは個人的に好きなんですが、ドラクエ
の存在意義から考えると、あってはならない作品
だと言えるでしょう。

不思議のダンジョンシリーズはローグを現代に呼
び起こしたという意味で、ドラクエ1と同様の意
義がありますが、これには直接、堀井氏はタッチ
してないので、あまり今回の話しとは関連しませ
ん。

そして、これを言ってしまうと元も子も無いので
すが、もう、今のドラクエに、いやドラクエをプ
レイする意義があまり無いんですよ…。

ドラクエ1が出た頃、RPGと言えば、海外の作
品でした。ウルティマは理不尽且つ、無茶苦茶な
ゲームシステムで、お世辞にも万人向けとは言え
なかった。

ウィザードリーも、そのハードコアなシステムか
ら、いきなりRPGの予備知識のないプレイヤー
がプレイするには酷。

ならばってことでドラクエ。そういったポジショ
ンを持てていました。

2~4が出た頃も、多くの国内メーカーがRPG
を出すようになっていたが、やっぱりドラクエが
一番だねって言えるだけの完成度と新らしさがあ
った。

しかし、今は、海外のRPGは非常に完成度が高
く、前世紀に通説としてあった、強引な展開、無
茶な難易度、操作性の悪さなどといった欠点は、
現状においてほぼ皆無になったといっても良いで
しょう。

そして、ドラクエを起源とする和製RPGは、そ
の独自の成長を遂げ、今では『インタラクティブ
ビジュアルテキストアドベンチャー』とcocは敢
えていうのですが、そういったRPGなんだろう
けど、RPGじゃない『和製RPG』の独自進化
作品が沢山排出されています(FF等が筆頭)

そんな中、5,6,7のような、ドラクエをプレ
イする意味が薄いんですよ。

言ってしまえば中途半端なんです。

本物のRPGでも無いし、だからといって、国内
で主流の嘘RPGなのかっていうと、それとも違
う。

それを良い様に表現すれば『クラシカル』なのか
もしれませんが、それでは余りに安易過ぎます。

そんな骨董的なポジションにドラクエが置かれる
というのは、正直嫌です。

じゃ、どうすればいいのか?っと聞かれても困り
ますが、とにかくもっと新しい要素を取り込んで
、これから国内で作られるRPGの目標となるよ
うな作風に立ち返って欲しいのです。

それが、堀井氏のマンパワー作品であるドラクエ
に可能なのか?という疑問は大いに有りますが…

それに『ドラクエ』というブランドが確立した今
、本家が大コケ出来ないという制約もありますか
ら、あまり突飛なことは出来ないでしょうしね。

だったら、もう作るな!っとcocは言いたい…。

だってさ、突飛で前衛的なチャレンジをしなけれ
ば、ドラクエの今後の居場所は無いと思います。

本当のRPGは今となっては国内コンシューマー
では売れない時代だし。
(残念な事に本当のRPGを知るユーザーが少な
い)

市場で花形の『インタラクティブビジュアルテキ
ストアドベンチャー』にドラクエを変貌させたと
ころで、FFを筆頭に、そういう手合いは山ほど
リリースされてるわけですしね。

個人的に結論を出すとすると、コンシューマーで
は中々出会う機会が少ない、骨太RPGに変貌さ
せてみてはどうかなって思ってます。

例えば、大小の規模併せて200~300のクエ
ストを任意、あるいはチェーンクエストとして選
んでプレイしていき、その消化率に関係なく、エ
ンディングは統一。

過剰なシナリオの説明などは省き、多くのクエス
トを達成すれば達成するだけエンディングへの伏
線が明らかになっていくって感じで。

お話しを見せられるゲームでなく、RPG本来の
シナリオを想像し創造していくという、本当の意
味での王道に立ち戻ってみると、逆にコンシュー
マーでは新鮮なのでは?

キャラクターも、自由にカスタマイズ可能で、勇
者として宿命付けられてる人物を主人公に据え付
けずに、あくまでロール・プレイング・ゲームと
して楽しめる感じにするとか。

個人的には、そういうのだったら強く惹かれるけ
ど、市場的には売れないでしょうね…^^;

ま、どう変化していくにしろ、かなり突飛な事を
して驚きを詰め込まないと、もうドラクエがドラ
クエとして存在する意義も場所も無いと思います

最新作になる8は、どうも3Dにしただけという
程度で落ち着きそうで、凄く心配です。

3Dにしたぐらいで、ドラクエらしさが・・・
とか言うの勘弁して欲しいです・・・。

2Dだろうが、3Dだろうが、もっと言えばワイ
ヤーフレームだろうが、そんなとこにドラクエら
しさを定義されても困りますTT

見るべき、論じるべき場所が違うだろって事です

これは、ゼルダの風のタクト発表時にも通じる事
ですね。

っと、ドラクエに厳しい表現を多く書いたので、
ドラクエバッシングに感じた方もおられるでしょ
うが、基本的にドラクエは支持しています。

指示してるからこその叱咤激励なのです。

そして、バラしちゃうと、最近DIABLO2を
遊び初めて「あぁ、やっぱ本物のRPGって良い
なぁ」っと痛烈に再認識した経緯もこのテキスト
に凄く反映されてます^^;

故に『ドラクエ』というコンシューマーフィルタ
ーを被せた上での本物RPGっていうのを遊んで
みたいぞっと思ったのが正直な所だったりします

どうしても、年々、嘘RPG(インタラクティブ
ビジュアルテキストアドベンチャー)に対して嫌
悪感が強まってきてるので^^;

そういったことで、非常に個人的な想いでドラク
エを斬ったテキストでしたが、とにかく『好き故
の盲目』というのだけは嫌いでして、好きなら、
その好き以上に厳しくその対象を見ようと心掛け
てるので、少々乱暴な表現も有ったと思いますが
、その点は御容赦を。

それでは、連作となった『乙女から見る21世紀
のコンシュマー産業の行方Vol.46 ドラク
エの存在意義と今後の展望』をここで終えること
にします。

お付き合い下さった方、有難う御座いました。

乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.46 ドラクエの存在意義と今後の展望 前編

ドラクエ8の続報が今週の土曜に発売される『週
刊ジャンプ』誌上で掲載されるのですが、そこに
掲載されるドラクエの変化に賛否両論のようです
ね。

coc個人としては、これくらいズバっと変えちゃ
っても良いと思います。

別の言い方をすると、もう変えないといけない時
期は過ぎてるくらいでしょって感じですかね。

事実『7』で感じたのは、古臭さでしたし・・・

面白い、面白くないという判断で無く、シェアナ
ンバー1のハードで出す、ドラクエの最新作とい
う位置付けの作品がその重責を果たしきれなかっ
た印象を持ちました。

クラシカルなコマンド選択式に加え、2Dの趣き
を残した感じの3Dにしろ、とにかく目新しさが
感じられなかったですしね。

更に言うと、DQの売りの1つでもある『堀井節
』も影を潜めがちで・・・。

とにかく作品全体にパワーが無かったっていうの
が、cocとしての7の感想です。

そもそも、ドラクエはクラシカルなままで良いと
いう意見も多いのですが、cocの考えは違います

『DQは前衛的でなくてはDQでは無い』という
のが、coc個人としての見解です。

思い返せば、ドラクエはその作品を重ねる毎に、
プレイヤーに『初めて』のドキドキをもたらして
くれてた作品です。

ですが、5作目でその傾向に陰りが見え、6、7
と続いた結果、ドラクエはいつしか『王道』とい
う賛辞と共に『クラシカルの良さ』を牽引する代
表的な作品になってしまいました。

ドラクエは『王道』なんでしょうか?
cocは、もともとドラクエというのは邪道と言って
もいい作品だったんじゃないかなって思うのです。

新しい物を運んでくるという意味での邪道ですけ
どね。

ドラクエは、4作目までは確かに前衛的な作品だ
ったと思うんです。
(国内コンシューマー枠の中で)

1作目はコンシュマー用に海外で流行し始めてい
たRPGをシステムローカライズし、和製RPG
の種を撒いた作品だったと思います。

2作目は、和製RPGの種を前作で撒き、それを
開花させたという位置にあると思います。パーテ
ィープレイや、乗り物という概念もここで登場さ
せましたね。

3作目は、ロト3部作の完結編であると同時に、
和製RPGの成長期での総決算的作品だったと思
います。
前作、前々作のシステムに転職を加え、和製RP
Gここに極まりっといった内容でした。

4作目、3までの基礎が多くのメーカーの作品の
基盤になり、和製RPGが乱立しきった頃に出さ
れた作品ですが、ACTシナリオ、馬車システム
などの新しい驚きを詰め込んで、3で極まったか
に思えた和製RPGに更に刺激を加えました。

このように、4作目までは、非常に前衛的な作品
だったと思うのです。

しかし、4作目以降、突然の失速・・・。
ドラクエの前衛的な趣きは影を潜め、可も無く不
可も無くといった、非常に安定した作品をリリー
スするようになりました。

そして、7に至っては、クラシカルの筆頭とも言
える作品になり、作品の出来はまずまずの出来だ
ったにしろ、その余りにも非挑戦的な作風に、ド
ラクエの限界をcocは感じました。

だからといって、ドラクエをFFのようにしろと
言うわけではありません。

ドラクエというのは、その最新作が出たならば、
同時期に存在する他の和製RPGの一歩前を進ん
でる作品であるべきだと思うのです。

つまり、これからの『お手本』になるような新し
い刺激に満ちていたのが、ドラクエの最新作だっ
たのです。

ですから、8で3Dになっても一向に構いません

勿論、3Dでなく、様々な部分で前衛的なシステ
ムを組み込んでプレイヤーに驚きを与えて欲しい
です。

ですが・・・
8も、結局は無難な作品になると思いますよ…

やはり、堀井雄二というマンパワーで続けてきた
ドラクエは、もう限界を超えたのだと思います。

どういう意味かと言いますと、例えば『7』なん
ですが、cocは7について堀井氏に問いたいこと
があるんですよ。

『堀井さん。あなたは本当にDQ7のような作品
で遊びたい!っと願った上で製作されたのですか
?」っという質問をしたいのです。

こうしたら?ああしたら?と試行錯誤して作られ
たのは承知してますが、まず最初にどういうゲー
ムで遊びたいのかっという大前提が完成した7と
ほぼ一致するのか大きな疑問として残ります。

少なくとも4作品までは、堀井氏のパワーが作品
に込められてると強く感じましたが、7に至って
は、堀井氏の意思をそこに感じ取ることが出来ま
せんでした。
(堀井節は別として)

RPGの起源として、ウルティマやウィザードリ
ー、ローグを上げることは良く有ります。

cocもそれに異論はありません。

そして、それらの作品から波及した作品も含めて
(ドラクエも含み)それぞれが、現代に併せた進化
を遂げています。

しかし、ドラクエだけが、その進化から退行して
るように思えてしかたないのです。

あの初期のウルティマの無茶な作風から、美味し
いところだけ抽出し、日本向けにアレンジし、日
本にRPGというジャンルを確立させ、和製RP
Gという良きにも悪しきにも取れる、独自の文化
の出発点だったドラクエが、今はポツンと取りに
越されるような気がしてなりません。

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16日の日記を飛ばしたので、急遽連作をUPし
ます。

時間的に日付は17日となってますが、こちらが
16日分とさせてもらいます。

この続きは後ほどUPしますね。

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