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乙女のドラクエ8 インプレッション Vol.2

さて、今回からはプレイ進行に沿って、印象深い事柄を書いていき
ます。

やはり、今回も書き出しに【完成度の高い箱庭感】という言葉を使
わざるおえません。

その世界に居るだけで楽しい。そんな印象を受ける作品はかなり貴
重で、あまり多く出会えるものではありません。

ただ、その視覚的な演出の向上から、ドラクエ特有の家捜しがなん
とも気まずい空気になります。

箪笥をこじ開け、吊るし袋の中をゴソゴソと探り、挙句には壷や樽
を持ちあげ床に叩き付ける。

それらを家人の目の前で行うと、罪悪感に襲われ申し訳ない気分に
なってきます。しかも、相手が旅に助力してくれた人々だったりす
すると・・・。

お礼を言われたり、お礼を言ったりしたあとに、家捜しするのは心
苦しく・・・。

今までのドラクエは、NPCも記号の一部に等しい感じ方をしまうく
らい、視覚的にチープなものでしたから、このあたりの視覚的変化
によるプレイ感情の違いっていうのも、きちっとした箱庭を作り上
げてるからこそ生まれてくるものなのではないかと感じました。

そして、恐らくドラクエ初の追われる恐怖ってのも新鮮でした。
旅の冒頭の【トラペッタ】の町の西門を出て、東に暫く歩くと宝箱
がポツンっと置かれており、その宝箱に至る途中に、なにやら巨大
なモンスターらしき物体が待ち構えてる。

あまり気近付くのは危険と思いつつ、一定の距離を保ちながら少し
迂回気味に宝箱のところまで行き、中身を空けて気が緩んだ直後、
画面の中に先ほどのモンスターが突如カットイン。

心拍数が急激に上昇すると共に、必死で走り出し追撃を逃れようと
逃げまくり、もう流石に追っては来ないだろうと後ろを振り返ると
、凶暴そうな斧を抱えたバトルレックスが前傾姿勢のまま大口を開
けて走ってくるじゃありませんか。

な、なんなんだ一体っと現状を逃避したくなる気分を抑えつつ、更
に逃走を図り、町に逃げ込んだのですが、ドラクエでこんなに怖さ
という意味でドキドキさせられるなんて初めてです。

しかも、操作にまだ慣れていないという点と、自身の強烈な方向音
痴というリアルスキルが作用して、逃げてる時に方向感覚を失い大
変でした。更に、逃げてる最中にもエンカウントバトルは発生し、
戦闘終了後に方向が判らなくなるというオマケもあってか、逃げる
のに苦労しました。

今までのドラクエに無かったという点では、ドラクエ史上初の【誘
う踊り】の一連の流れが明らかになりましたね。

たしか7でも、敵キャラは動いていたと記憶してますけど、『○○
は誘う踊りをした』『○○は誘われなかった』っという一連の流れ
が視覚的に全て表現されていたのには笑いました。

モンスターが必死に滑稽なダンスで誘ってるのに『お前なにしてん
だ…』みたいな冷たい視線で返すところの間の絶妙さが素晴らしい
。そして、釣られて踊ってしまうのも笑える。

モンスターそれぞれが特徴的な動きを展開するので、飽きやすい戦
闘も苦に感じないのが良いです。しかも様々な動きをさせてるにも
関わらず、ドラクエの戦闘のテンポを崩してない所が素晴らしい。

今作で製作にあたった【LVEL5】の執念みたいなものを感じさせま
す。

テンポといえば、フィールドを3Dにしことにより、移動のテンポの
変化が心配に思っていたのですが、こちらも丁寧に作りこまれ、全
くストレスを感じない作りなのにも驚きました。

特に、ダンジョンが素晴らしい。洞窟に関しては、階層を意識させ
る為か、意図的に階層切り替えの時にローディングしてますけど、
塔には驚きでした。

完全シームレスで展開されるのですから、違和感というより、衝撃
に近い驚きを覚えました。

RAM容量が貧弱なPS2において、多階層の塔をシームレスで展開する
のは厳しいと思うのですが、この作用のお陰で、洞窟と屋外建造物
との差別化が適っており、今までは【ダンジョン】と一括りにされ
ていたものに変化を与えましたね。

そして、塔は3Dになったことで、より立体的な構造を前面に表現
出来るようになり、いかにも塔を登っているという感覚を得られ非
常に良いと思いました。

こうやって褒めてばかりいますが、個人的に残念に思う部分も当然
あります。

まずは、スキルシステム。
アイデアは良いのですが、数値を振る段階でスキルの全体像が見え
なさ過ぎるのが気になりました。

振ってしまったポイントは下げる事が出来ない以上、ドラクエとい
う作品観の中では、もう少し丁寧に全容を見せるべきじゃないかな
っと感じました。つまり、どのスキルでどういった特技が身に付く
のかの具体的な姿が見えないので、データ本有りきのシステムに感
じて、悪い意味で今風だなっと・・・。

今風と言えば【錬金釜】
これは、個人的に『やってしまったか…』という暗な印象を受けま
した。これこそ、データ本無くしては活用出来ないシステムで、も
しデータ本を活用せずに【錬金釜】を活用していくのであれば、か
なりのハイリスク、いやもっと直接的なことを言えば、悪い方にゲ
ームバランスを動かしてしまう恐れすらあると感じます。

アイテム同士を合成させて、新しいアイテムを生み出す。
そういったシステムは、もう既出過ぎるほどのものなのですが、ド
ラクエ本編では、そこに手を染めて欲しくなかったっと思うのです

データさえ有れば、なんてことないシステムですが、全く何も知ら
されてない状況だと、有益な材料を無駄にしてしまいゲームの進行
を悪戯に厳しくしてしまう結果というのも産み出しますから、外伝
的な他のドラクエシリーズ作品ならまだしも、本編でこういうのは
どうかなってね。

そもそも合成というのは、データが無ければ危険過ぎるシステムで
すし(ゲーム内だけの徹底した理論式による合成なら理論さえチュ
ートリアルしてしまえばOKだけど)データを見て合成するのであ
れば、それは既に合成じゃなく、材料集めのお使いシステムなだけ

同じ合成システムを乗せるのであれば、作品内で絶対的な理論式を
用意し、その上でプレイヤーに任せる形にして欲しかったなっと思
うのです。

これと、これを合成させて、こんなのが出来るのって無理があるだ
ろうとか、飛躍し過ぎのジョーク式だったりとかで、データ無しで
は容易に推理できない物ばかりですし。

しかも、理論式が確立してないから、合成レシピと材料アイテムの
相互関係に規律が見せず、作れる物と材料の確保等に無意味な煩わ
しさを感じてしまう。

簡単に言えば、回復アイテムは回復アイテム同士のみ、武器なら同
じ系統のみ、防具も同じ部位防具のみといった制約を作り、完成す
る物も、掛け合わせたものと同じ系統の物しか産み出せないといっ
た制限があれば、データなど無くても容易に管理活用出来るわけで
す。

でも、今作の合成式はそうじゃない。そこが悪い意味で今風なんで
すよね。

だから、錬金する場合は、いちいちレシピデータを確認し、材料と
作成物を確認。それだけでなく、その材料が他の物の材料になって
いないかも確認。使わなくなった武具も錬金の材料になるのか、な
らないのか確認してからじゃないと売れない等といった煩わしい状
況を産み出してしまうのです。

こういうデータを見もってじゃないとゲームが円滑に進められない
RPGってのは、私的に嫌なんです。

ゲームの中で完結していてくれっと・・・

しかも、そういった合成云々がメインのシステムならまだしも、オ
マケ的な外面をぶら下げつつ、実は重要みたいなのが凄くイライラ
します。

特にドラクエで、その時の進行状況で可能な最強装備というのを常
に意識してプレイする派の人だと、ホント煩わしいですよ(cocもそ
ういう派)

ここらへんが、新参の製作会社らしいとも・・・ね。

cocはRPGでデータを必要とする物以外は攻略本とかの類は見ない派
なんです。だから余計にドラクエの本編でデータが必要になるのが
鬱陶しいと感じるのです。

このように、100%素晴らしいとは言えない部分もありますが、現時
点(カジノ到達時点)で総合すると、十分納得出来る出来映えになっ
てるとcocは感じました。

さて、最後に現時点のプレイ進行度について書いておきます。

今はカジノの到着し、景品で貰えるアイテムを確認し、欲しいアイ
テムの種類と数をコインに換算し目標に立てた26500枚を稼ぎ。目
的の景品全てを入手し、そのカジノのある街で起きた進行途中のイ
ベントに復帰したところです。

このカジノよりも規模の大きいカジノがあるそうで、そこに到着す
ると、またコインを稼がないといけないのかっと、少々萎えつつあ
るcocです。

それでは今回はこのへんで。
また次回の更新でお会いしましょう。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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