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乙女のゲームのススメ Vol.56 逆転裁判

今更ですが、GBAの逆転裁判をプレイしました

発売当時、結構話題になっていたので、少し気に
なっていたのですが、いざ遊ぼうというところま
での吸引力は感じられず、放棄していたました。

で、取り合えず遊んでみた感想ですが、一言で言
うなら『センスの勝利』って感じですね。

従来のテキストアドベンチャーの推理物は、その
殆どが結局は推理せずとも物語が進んでしまうと
いう仕様をあからさまに見せていた点を『逆転裁
判』では演出でプレイヤーに『推理させてるとい
う錯覚』を与えたことで成功した作品と言えるで
しょうね。

推理アドベンチャーものは、どうあがいても、シ
ナリオに筋道があり、決まったとおりに物語が展
開し、結末を向かえる。プレイヤーは実のところ
物語をなぞってるだけっていう仕様から逃れられ
ないジャンルです。

そんな仕様だと退屈なんですが、それを解消する
為に今まで取られてきた一番多くの方法は脚本を
凝る、物語の展開で飽きさせない。っていうのが
セオリーでした。

でも結局、それはゲームの中で繰り広げられる『
物語』という部分が挿し変わってるだけで、『ゲ
ーム的』なバリエーションはあまり多岐に広がり
ませんでした。

サウンドノベルっていうのが唯一の波及進化形態
で、それが限界みたいな印象を推理アドベンチャ
ーものにもっていたのですが『逆転裁判』はそう
いったマンネリのジャンルのゲームに少し違った
味付けをして上手くまとめれた野心作でした。

言ってしまえば『逆転裁判』も推理する必要はあ
りません。ファミコン創生期からお馴染みの『コ
マンド総当り』でゲームは何の問題も無く進みま
す。

そう、結局、物語をなぞってるだけなんです。

しかし、法廷の場面でのやりとりで、証人の偽証
を暴いていくプロセスに、プレイヤーの意識を上
手くゲームに引き込ませ、あたかも自分が偽証を
推理で見破り暴いたんだ!っていう気分にさせる
演出は非常に上手いと思いました。

証人が証言してる時に、プレイヤーが任意のタイ
ミングで『待った!』や『異議有り!!』っと主
人公に叫ばせて、証言の嘘を、証拠品のデータを
使って崩していく。

ホントに自分が相手の嘘を暴いた感覚にさせてく
れます。

この法廷のやり取りの場面での演出がこのゲーム
の核であり、そこのテンポが非常に小気味良く、
プレイヤーを飽きさせないんです。

やってる事は昔の推理アドベンチャーと同じなん
だけど、演出方法を変えるだけで、ここまで擬似
インタラクティブなシステムになるんだなぁって
関心したほどです。

しかし・・・しかしです!

確かに『逆転裁判』は従来の推理アドベンチャー
と比べ、センスの良い演出で新鮮な作品に感じま
した・・・。

ですが、まったく同じシステムで(正確には若干
の改良は有る)すぐに続編が発売されてるんです
よね・・・。

この『続編』が余計だった・・・。

せっかく『新鮮味』のある推理アドベンチャーと
して認知されていたのに、期間をおかずにすぐ続
編を出しちゃってるもんだから、自らマンネリ街
道に突入しちゃってます・・・。

すごく残念です・・・。

続編を出す弊害っていうのも考えるべきだと思い
ます。

実際、続編が出てなかったら、逆転裁判という作
品に10点満点中の7点(企画力のセンスに+1
加点込み)付けれましたが、シナリオを差し替え
ただけとも言える続編が出た事により、長所だっ
た新鮮味のある演出が、全然新鮮じゃなくなり、
逆にそれがマンネリになってしまい、長所から短
所へと、すっかり逆転してしまって『2』を遊ん
でみた今では、7点から5点に減点って感じです。

一作目のセンスの良い演出を体験した後、続編は
どういった演出を加えてるのか!?っと期待して
2を始めてみたんですが・・・。
まったくもって駄目、駄目っていうか論外。

ただの焼き回し・・・・。

一気にエンディングまで遊んだ初作でしたが、続
編は全然新鮮味が無いので、まったく遊ぶ気が沸
かない・・・。

「あぁ、またアレを繰り返すんだね…」って感じ
で、半ば閉口です。

しかも、3作目も作ってるそうで・・・。

はぁ・・・。
出さない勇気って持てないものかなぁってつくづ
く思いますね。

ま、そういったことで、自ら墓穴を掘った感のあ
る逆転裁判ですが、初作『だけ』を遊ぶなら結構
楽しめると思います。

ほんと「続編物は難しい」というセオリーを痛感
したcocさんです。

それでは今回はこのへんで。
また次回の更新でお会いしましょう。

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