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乙女のNintendoDS 漫遊記 Vol.21 Mother3 #1

ようやくといった感じでマザー3のプレイを開始しました。現時点
での進行具合は【一章】を終えたところです。

さて、感想ですが、一章を終えただけですし、どうもこの作品は導
入部分で全てが明確に理解出来る作品ではなさそうなので、どう印
象を綴るべきか非常に悩みます。

ですので、これはあくまで導入部分を遊んだだけの感想として書き
ますので、また後日書き改めた内容で総括すると思いますから、こ
れから書くことは最終的な評価ではないことを最初に断っておきま
す。

まず感じたのは【奇妙さ】でしょうか。あまり馴染んでない肌触り
、しかしそれは心地悪くない。だけど果たしてこれはゲームなのだ
ろうか?っという印象を最初に感じました。

この【ゲームじゃない】というフレーズを使うと、未完成であると
か不出来であるとかという意味を連想させてしまうかもしれないの
ですが、そういう意味ではないんです。文字通り、そこに含みも裏
も一切排除した上で【ゲームじゃない】と感じるのです。

だけど、気になるのです。引き込まれるのです。次ぎへ次ぎへと進
みたくなるのです。

そんなマザー3を強いて例えるなら・・・小説かもしれません。と
ても巧妙に行構成を練られた作品を読んでる時に生じる、行から行
へと目が勝手に動いてしまい止まらない状態。そんな時に感じる感
覚に近いものがあります。

故にこれはゲームじゃないと思うわけです。

判りやすく言うと、糸井節全開な作品ってことなんですが、第一章
でゲームとしては、有る意味避けていくべき展開を躊躇なく披露し
てしまう大胆さと、その大胆さに驚くユーザーを物影で『クックク
』っと笑うような不謹慎さが混ぜこぜになって、果たしてこの作品
のテーマ、そして着地点はどこなんだ!?っという疑問に襲われて
しまいます。

そういった雰囲気を総じてcocは【奇妙】と言ってるわけなんです
が、糸井氏の魂胆が今の所全然見えてこないから、とても歯痒いで
す。

ただ、根拠なく感じるのは、これは深いぞっという、有る意味自己
防衛反応に近い何かが訴えてくるのです。物事の裏側に潜む思惑を
も加味してこそ、そこに潜むテーマとかメッセージが紐解かれてい
く感じすらします。

だからといって文学ではない。そんな大看板を掲げる意図は感じら
れない。むしろもっと猥雑で不謹慎な人間の本性と、その裏に実は
確かに存在する哀愁とでも言いましょうか。

わざと泣いて見せて、こいつ泣いてるじゃんっという笑いを作って
おいて、事実本当に泣いていたのに、泣いていたという事実を泣い
てしまうことで打ち消すような、悲哀と打算のせめぎ合い。それを
口に出してしまうハレンチさ。どれも人の側面であり本性でもある
。だから楽しみなさい、楽しめるなら楽しみなさい。ただし実際は
そうじゃないんだよ。もっと汚いものなんだよっという現実を散り
ばめてあるような作品。現時点でcocはそんな風な印象を受けまし
た。

あとは、もっと適切な距離を取りましょうねっという思惑も有るん
じゃないかなって感じます。ドラマのヒロインの流した涙の雫にグ
ラっと揺れた直後、そのヒロインが清涼飲料水のCMで下品なほど満
面の笑みを手向けてくるようなデリカシーの無さ。好む好まずは関
係なく、そういうデリカシーのなさが現実という事実。つまりは事
実と事実はキチンと対面させようよっという、まぁ斜に構えたよう
な感じでもあるんだけど、そんな意図もあるんじゃないかなぁっと
ね。

そんな風に糸井重里越しにマザー3はいろいろと見えてくるんだけ
ど、肝心のゲームという部分に置いては、正直この段階では褒めれ
たものではないです。

明らかにマイナス点です。

でも、なんでしょうね。そんなマイナス要素も我慢して先に進みた
く衝動に襲われるこの作品は、やはり奇妙です。

ただし、やはりこれは【ゲームじゃない】と思います。マザー3と
いう作品を世に提供する媒体をゲームとしたというだけで、そこに
ゲームで有る必然は酷く薄いような気がする。

ぶっちゃけ、何でもよかったんじゃないかな。映画でもドラマでも
アニメでもコミックでも小説でも絵本でもね。ただ、これはマザー
3だった。1、2とゲームで展開された素材の後に生まれた3だっ
たからこそ、ゲームにした。ゲームになったではなく【した】っと
いうのが一番シックリくる答えかもしれません。

ただし、今後進めていく過程で、ゲームだからこその表現方法など
がでてくれば【ゲームじゃない】という表現は撤回することになる
かもしれません。しかし、やはりこの時点では【ゲームじゃない】
と言う以外仕方ありません。

しかし、糸井氏が仕上げたマザー3という分厚い絵本という解釈で
言うとするなら、とても面白いと言わざる終えません。何気ない2
~3行のテキストにゾッとするような残酷さや、ジュワっと何かが
滲んでくるような郷愁めいた暖かさなど、やはり言葉の使い方のセ
ンスはプロであるだけに、さすがさすがのお手並みって感じです。

とりあえず、一章を終えただけの現時点では、確定的な評価は下せ
ないので、これは一先ずのファーストインプレッションだと思って
下さいまし。

そして、ネタバレにならないように、本編の内容について、なるべ
く直接的な表現で取り上げるのは避けていますので、やや解りにく
いテキストとなってしまったのは御容赦ください。

もしこれからプレイする方が居られましたら、攻略サイトなどを見
る愚行を是非とも為さらない事をオススメします。なにせ【攻略】
する作品ではないですからね。

斯く言うcocも予備知識、攻略情報一切なしでプレイしております
です。

あと最後に付け加えるなら、この作品の対象年齢は結構高めですね
。実年齢が全ての基準にはなりませんし、幾つ位の歳からが良いの
かわかりませんが、とりあえず【大人】推奨です。

それでは、また後日、プレイを進行させて感じた印象を書くとしま
すので、今回はこれにて。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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