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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.47 ゲーム業界はもっと悲惨な状況になっていく 中編

急遽始まった連作コラム。
今回が『中編』ということですから、三回に渡っ
ての分割アップです。

全編通して読んでもらわないと意図する内容が伝
わらないと思いますので、読んで頂く場合は前、
中、後編と続けて読んで下さいまし。

では、昨日の続きをどうぞです。


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例えば『ポケモン』の最新作
もう、何作目か数えるのが面倒になってきた感の
あるポケモンですが、その最新作の『ルビー』
『サファイヤ』の両バージョン併せて、400万本
超は売れてるのです。

400万本と言ったら凄い数字です。それだけの数
が売れるポテンシャルをまだゲーム業界には残っ
てるんです。

単に『売れない』ソフトが増えただけで、それは
ユーザーのニーズに応じれてないソフトが市場に
溢れてることを意味します。

では、なぜユーザーのニーズに併せた作品が少な
くなったか?ですが、これは非常に難しい問題で
す。

携帯電話のコンテンツ普及や、少子化、不況、オ
ーバースペック、ライン消化重視の製作体制と、
色々な要素が推測で挙げられ、そのどれもが正解
とも言えるし、不正解とも言えます。

しかし、先日、任天堂の岩田社長が以下のような
発言をされました。


今日のソフトビジネスの縮小は、景気の低迷や少
子化とはあまり関係ない。この現象は、大容量や
複雑化が限界に達して飽和してきたからだ。現に
そうしたゲームはプレイするのに莫大な労力と時
間を要する。ビデオゲームを含めた娯楽は、ユー
ザーの限られた時間を奪い合うものだから、時間
とエネルギーを要するゲームは時代に逆行してい
る。ユーザーは『もっと激しい刺激を』『もっと
リアルなものを』と新しい刺激を要求してくるの
で、それにメーカーが応えるのが黄金パターンだ
った。しかし20年前、シューティングゲームが王
道であった時代、ファンの『もっと凝ったシステ
ムを』という要望に応えていった結果、シューテ
ィングというジャンルは複雑になりすぎてマニア
ックなものとなってしまい、市場は縮小してしま
った。対戦格闘も同様に縮小してしまっている。
このままではゲーム全体がその流れで縮小してし
まうのではないかという危機感を持っている。高
度なゲーム開発一本槍に突き進むことは極めて危
険だ。


この発言、激しい同意です。
正解とは誰も決めれないから、正しい見解だとは
言いませんが、少なくとも、この推察は現状の問
題のどこかの的にズドンっと命中してる1つの考
察だと思います。

現状のハード、そして次世代のハードを用いても
、ユーザーに衝撃的なインパクト与えるゲームっ
てのは作れないと思っています。

何故なら、もう視覚から感じられるサプライズは
全て見せつくしたと思うのです。

cocの持論なのですが、ビデオゲームの歴史とは
『Surprise Feeling』の歴史だと思ってます。

ゲームの歴史を振り返ると、新しい段階に移る際
に、かならず新しいSurprise Feelingがあったと
思うのです。

周知のとおり、ビデオゲーム、テレビゲームは8
0年代中期から目覚しい成長を遂げてきました。
その成長は、ハードスペックとの闘いの歴史でも
あったと思います。

ファミコンから、スーパーファミコン、そしてプ
レステという一年の流れで一番進化した物はグラ
フィックでしょう。

グラフィックの向上は視覚のSurprise Feelingで
す。

簡単に言うと、単色階調から、濃淡階調へ、平面
から立体へと、視覚で認識できる世界の表現力が
向上していくたびに、視覚的なSurprise Feeling
がありました。しかし、もう視覚のSurprise
Feelingは出尽くしたと感じるのです。

現状の最新ハードのグラフィックはどうですか?
非常に美麗で、充分『鑑賞』に絶えうる質にまで
上りつめました。

ですが『鑑賞』のレベルまで言ってしまったら、
もうそこには驚きは生まれません。
単に、カメラアングルや構図の問題だけになって
きて、どれもこれも『鑑賞』において標準と基準
付けされてしまうだけです。

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*後編へと続く

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