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乙女が思う 21世紀のゲーム産業の行方 Vol.8 最終回

さぁ~~。やってまいりました。
『21世紀のゲーム産業の行方』最終回。

この最終回は、今までの7回を総轄すると共に
『ゲーム』と云う比較的若い産業に於いての
ヒット商品の法則を過去の事例から紐解き
今後、熾烈を極めるであろう
シェア獲得戦争を大胆(無謀?)に
予想してしまいます。
かなりの長文です。ご容赦を、、、。

まず第2回~第7回に於いては、
個々のハードが持つ可能性と云う視点のみで
書かせて頂いてましたが、最終回の今日は
「それじゃ~結局何が売れるのさ?」と
云う点に於いて私なりの結論を出してみようと
思います。

それには、まず産業としての『ゲーム』の
歩みから紐解き、過去に生まれた
ヒットハードの検証から見えてくる。
ある側面の考察から初めていきます。

売れた=スタンダードとなったハードと言えば
皆さんは何を思い浮かべられるでしょう?

これには、さほど意見のバラつきはないでしょう。

ファミリーコンピュター
スーパーファミコン
ゲームボーイ
プレイステーション

以上の4つで皆さんも納得されるでしょう。

それでは、何故上記の4つの商品は
爆発的なヒットを成し遂げられたのでしょう。

それぞれ個別に思い返してみると
さまざまな要因が、皆さんの頭の中に
蘇ってくると思いますが個別の要因だけでなく
ある共通のキーワードが実はあります。

少し見方をかえると、さらにもう一つ
上記の4ハードにたえず絡んでいるものも
ありますね。

まず、一つめは『ゲーム』と云う
比較的若い産業
(言い方を変えれば、認知度の低い産業)
以外の市場ですでに成功を治めている
メーカーの商品と云う部分と

つねに後陣に『セガエンタープライズ』と云う
老舗のアミューズメントメーカーが存在
(比較対象物)していたと云う2点です。

この共通点から何が、導き出されるかと
言いますと、消費者心理の固定現象と
云うものが見えてきます。

つまり、ファミリーコンピューターが世にでて
ブームになる以前に『任天堂』は
『遊技玩具』の市場に於いて充分な認知度を
獲得しており、これが当時の
ブームの中心的世代であった若年層の
両親に対して無言のアピールになっていました。

トランプと言えば、花札、将棋と言えば
『任天堂』でした。
1980以前の家庭に於いてすでに
『任天堂』は深く浸透していたのです。
その過去の実績が、同社のTVゲーム販売の
テーマでもあり、商品タイトルにもなっている
『ファミリー』にきちっとした説得力を
持たせたのです。

以後、当時はまだ『コンピーター』と云う
単語に対して不透明な
感覚を持つ時代でしたので、いつのまにか、
ファミリーコンピュターと云う
少し堅い名前が、消費者によって
『ファミコン』と云うどこか可愛らしい愛称に
変わって行ったのは、皆さんも承知の事です。

これと時を同じくして『セガ』もゲーム機を
リリースしていましたが、『セガ』という
一般的には無名に近い会社が
これまた一般性の薄いネーミングを商品に 
つけていた為(SG.マスターシステム)
まったくと言ってもいいくらいに
売れませんでした。

そして悲しい事に、セガ=マニアの図式が
ここから始まったのです。

この時期に起きた消費者心理の固定は
『遊技玩具』のトップメーカーに対する
認知度がごっそり『ファミコン』への
安心感に変換されたと云う部分です。

さて、時間を少し進めましょう

ゲームボーイの登場です。

この、ゲームボーイもモロに
『ファミコン』に於いて
任天堂が築き上げた『安心感』の
追い風に乗って爆発的に売れました。

この『安心感』の証明は、当時の消費者が
如実に答を出してくれています。
ゲームボーイが登場してすぐ
「何故、カラーではないのか?」
「ぜひ、カラーを販売してほしい」
と云うニーズが沢山ありました。
そしてゲームボーイ登場から一年半
消費者のニーズに合わせた商品が発売されました。
そうです。『セガ』社の『ゲームギア』です。
しかし、売れませんでした。
あれほど、カラー化のニーズがあったわりに、、、。
これが『安心感』の力です。

ファミコン時代に付けられてしまった烙印の
影響を『ゲームギア』まともに受けてしまったわけです。

この事実は、以後のセガにとってもっとも
苦しいイメージの固定に繋がっていきます。

他市場の成功?
「NECのPCエンジンは、どう説明つける?」とおっしゃりたい方もおられるでしょう。

その点についても今回のテーマで容易に
説明出来ます。
当時(今もそうですが、、、)
NECが一般大衆に
与えている印象はどうでしょう?
一般の方から見てNECは
国内の家電メーカの一つ。
もしくはパソコンを作ってるメーカーと
云う程度の認知性しかないでしょう。
普通はその程度でも充分なのかもしれませんが
いかんせん、戦った相手が悪かったです。

『ファミコン』の築いた『安心感』を
そっくりそのまま受け継いで
商品名もそのまま『スーパーファミコン』
ですからね、、、。相手が悪かったです。

しかし、そのNECと云う部分に於いて
PCエンジンは結果を出しています。
そうです。普及台数では
『セガ』のメガドライブを上回っていました。
すなわち、NECが備えていた
認知度で獲得できる結果は達成していたのです

さて次は、プレイステーションです。
このプレイステーションの登場で
任天堂の長期政権に終止符が打たれました。

新しいスタンダードの登場です。

このプレイステーションが
売れた仕組みも『任天堂』が売れた仕組みと
ほぼ同じといって差し支えないでしょう。

では、何故『任天堂』から王座を奪う事が
出来たのでしょう?

これには『世代』が深く関わってきます。

『ソニー』のプレイステーション
その社名から消費者に与える印象と云うものは
『任天堂』の安心感とは異なり
『洗練された』もしくは「スタイリッシュ』な
という印象を消費者が過去の
『ソニー』の業暦から抱いており
プレイステーションを支持した
主に中高生以上の年齢層にとって
その『スタイリッシュ』なイメージと
云うものは、すでに擦り込まれていた
イメージだったのです。

私も含んだ20代、そして少し下の10代
それに加え30代も考慮して考えると

任天堂がファミコンを売りまくってた頃
ソニーはどうだったでしょう?

これがおもしろいほど、プレイステーションの
ヒットを生んだ要因と関連してきます。

ファミコン全盛期の1980年代
市場は異なっていましたが
ソニーも数々のヒット商品を
世に送り出していました。
その代表がヘッドホンステレオ
『WALKMAN』です。
この商品の説得力は他社を圧倒して
ヘッドホンステレオ=ウォークマン
ウォークマン=ソニーと云うイメージの固定は
後に続々と発表されていく『小型化』の
洗練された技術力から受ける
『スタイリッシュ』なイメージと重なり
一つのスタンダードとなっていきました。

これ以外にもソニーは数多くの
ヒット商品を生みだしており
さらにバブル全盛時代に於いての世界進出は
当時の一般ニュースソースとして幅広く浸透し
その地位は確固たるものになっていました。

そして1994年、
任天堂のスーパーファミコンCD-ROM開発
と云う部分で得た、ノウハウを活かして
『プレイステーション』をソニーが発表。
その後の爆発的なヒットは記憶に
新しい所ですね。

このヒットの中心的世代は
いわゆる幼い時に『ファミコン』時代を
真近に感じ、ソニーの躍進を
『ウォークマン』や『CD』で直に
触れてきた世代が、そこそこの経済力を
持ち出してた10代後半から20代の人々でした。

つまり、任天堂が飽きられたのではなく
その世代は最初から、ファミコン世代であって
ウォークマン世代だったのです。

今から思えば『必然』だったのかもしれません。

同時期、松下、サンヨーからも
『3DO』と云うハードがリリースされていましたが、これに関しては
悲惨でした。当時、世間ではなにかと言えば『マルチメディア』という呪文めいた、不透明な言葉が世間を賑わして(惑わして?)おり、この言葉が持つきちっとした意味も把握されていなかった時点での、マルチプラットホーム『3DO』は世に登場し、一般ユーザが「何なのいったい?3DOって?」の問に答を示す前に、マルチメディアと云う言葉と共に消え去ってしまいました。

要するに、いつの時代も新しい物は
望まれていますが、それと同時に安心感も求められるのです。

いくら高性能、多機能を実現しても
その真横に安心感がないと一般大衆は振り向いてくれません。

さて、このプレイステーション時代にも
『セガ』はニューハードを
リリースしていました。
そうです。『セガサターン』です。
でも、やはりシェア戦争に負けてしまいました。

この『セガ』の抜け出せない壁と云うのは
以外に簡単に見えるものです。

つまり、任天堂とソニーにあって
『セガ』に無いもの、、、。
それは、会社の一般認知度の低さと
ゲーム産業に対する偏見が
『セガ』の足枷になっているのです。
アミューズメントメーカの
老舗で有るが故の特異性と言うべきか、、、。
そもそも『セガ』と云う名前を目にする機会は
ゲームセンターや大型アミューズメント施設が主な場所です。

ここに訪れる一般の人達にとって
自分がプレーしたゲーム(カラオケ機器)が
どのメーカのものかなど眼中に無いのが大半です

そういうのを少しでも気に止めるのは
ゲームFANの人達でしょう。

これが意味する事は消費者にとって身近な存在ではないと云うことです。

ゲームセンターなどに行って
『セガ』のゲームでなければならない理由が
一般消費者の意識の中にないのです。

これには、家庭に密着した産業の実績が無い所から来るものでしょうね。

ゲーム産業進出以前の任天堂及びソニーには
その家庭に密着した産業の実績があったからこそ

まだ比較的若い産業である『ゲーム』に於いて
成功したのです。

このゲーム業界は私を含めたゲームFANが
危惧する以上に認知度が低いのが現実で、
極端な言葉をあえて使うと、一般消費者にとって
結局ゲーム機は何だっていいです。
性能が、どうたらこうたら なんて、
そんな事を比較対象にしてるのは
私の様なゲームFAN(マニア)くらいなものです。

肝心な事はその商品を出すメーカの一般認知度なのです。

この点から、考察すると『セガ』の躍進には
まだ少し時間が掛かりそうです。
今よりもっとゲーム産業が認知度を深めた頃
例えば、私達の世代の殆どが子供を持ち、育て
そしてその子供達が、ゲームをプレイする様になった頃。

この頃になった時は確実に『セガ』が最大手の
トップメーカーとなっているでしょう。
もしかするとその変化はもう入り口に差し掛かっているのかも、知れません。

さて、以上の事をふまえて、
これからのゲーム産業でトップに君臨するのは
一体どのメーカか?

まず、消去法で行くと、、、
『L600E』無いですね。

『X-BOX』は第3回目に
書いた、状況になれば
もしかして、、、。という程度ですね。

『ドリームキャスト』も現在のセガの
認知度と云う点を考え見ると
難しいでしょう。
個人的には、応援しているのですが、、、。

さて、残すは3つ!

『PS2』と
『GBアドバンス』『ドルフィン』

この任天堂製品は、2つで
一つの大きな販売戦略を展開して来そうなので

事実上 ソニーVS任天堂になるでしょう

え?どっちが勝つのかって?

そんなの判る訳ないじゃん!!
(おいおい、、、それじゃ、この連載は、、)

いや、、、判らないのは当然として
私は、『任天堂』が勝つ!
そう!勝つ! 断言!!

アドバンスのヒットは確実だから、
それにドルフィンが引っ張られると思います。

(あ~~あ、、、。断言してるよ、、、こいつ)

このソニーVS任天堂に関しては
長年のゲーム娘としての『勘』です。

一応。まだ大ヒットする遥か前に
『PS』トップシェア獲得を
予想してた人の内の一人なんで(^^;

参考に、、、はならんね、、、

まっ。とにかく私は
『任天堂』の返り咲きを予想します。

それでは、この連載も
今日で終わりとさせて頂きます。

今まで読んで下さっていた人には、
心から愛を込めて
「有り難う御座いました』です。

特に最終回の長文化は
ごめんなさいです。

最後に一言。
き、きつかった、、、。

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